フランク・トーマスの通算本塁打は286本なのか、521本なのか
フランク・トーマスは、メジャーリーグで286本のホームランを打った。
フランク・トーマスは、メジャーリーグで521本のホームランを打った。
これらの記述は、ご存じの方も少なくないと思うが、どちらも正しい。
フランク・ジョセフ・トーマスは、1951年から1966年まで、メジャーリーグでプレーした。フランク・エドワード・トーマスは、1990年から2008年までだ。ケン・グリフィーとケン・グリフィーJr.や、ブラディミール・ゲレーロとブラディミール・ゲレーロJr.(トロント・ブルージェイズ)のような、同名の親子ではない。2人のトーマスは他人だ。
どちらのトーマスも、本塁打王は獲得していないが、2人とも、リーグ2位に位置したことはある。ジョセフ・トーマスは、35本の1958年がナ・リーグ2位だ。エドワード・トーマスは、ア・リーグ2位が4度(うち3度は2位タイ)。38本の1994年、40本の1995年、43本の2000年、42本の2003年がそうだ。
また、ジョセフ・トーマスは、ニューヨーク・メッツの初代メンバーとして、創設1年目の1962年に、チーム最多の34本塁打を記録した。この本数は、1975年にデーブ・キングマンが36本のホームランを打つまでは、1シーズンの球団記録だった。1962~74年の間に、メッツでシーズン30本塁打以上は、他にいなかった。一方、エドワード・トーマスが1990~2005年のシカゴ・ホワイトソックス時代に打った448本のホームランは、今も塗り替えられることなく、球団記録であり続けている。
なお、エドワード・トーマスは、1968年5月27日に生まれた。同じ日に産声を上げたジェフ・バグウェルは、449本のホームランを打った。彼らは、同時ではないものの、ともに殿堂入りしている。ベースボール・リファレンスによると、ジョセフ・トーマスと同じ、1929年6月11日に生まれたメジャーリーガーはいない。