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筒香嘉智はレンジャーズの開幕ロースターに入れるのか。一塁、DH、外野の「ライバル」は…

宇根夏樹ベースボール・ライター
筒香嘉智 Apr 21, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 筒香嘉智は、テキサス・レンジャーズとマイナーリーグ契約を交わし、ノン・ロースター・インバイティ(キャンプ招待選手)として、スプリング・トレーニングに参加する。

 レンジャーズの一塁には、筒香と同じ左打者のナサニエル・ロウがいる。2年連続の出塁率.350以上に加え、昨年は、前年比1.5倍となる27本のホームランを打ち、シルバースラッガーを受賞した。

 外野両翼のうち、ライトはアドリス・ガルシアで決まりだろう。こちらは右打者で、出塁率こそ低いものの、2021年は31本塁打、2022年も27本塁打を記録している。盗塁は16と25、補殺は16と10だ。

 DHも、空いてはいない。左打者のブラッド・ミラーと右打者のミッチ・ガーバーが併用されそうだ。2人とも、昨年は故障者リストに3度ずつ入り、成績も振るわなかった。だが、ミラーは2016年に30本塁打の実績があり、2021年も350打数未満で20本のホームランを打っている。バッテリー以外の7ポジションを守ってきており、汎用性も高い。2019年に31本塁打のガーバーは、ジョナ・ハイムの控えとしてマスクもかぶる。

 一方、レフトは確定していない。現時点の候補を3人挙げるなら、25歳のババ・トンプソンジョシュ・スミスに、28歳のマーク・マサイアスだろうか(年齢は6月30日時点)。いずれも、メジャーデビューはしているものの、開花には至っていない。マイナーリーグ契約の筒香とジョー・マッカーシーにも、レフトの1番手と控えのどちらなのかはともかく、開幕ロースター入りのチャンスはあるはずだ。

 ただ、筒香にとって、ハードルは低くない。この5人のうち、スミス、筒香、マッカーシーの3人は左打者だ。しかも、筒香が守るポジションには、センターが含まれていない(遊撃と二塁もそうだ)。基本的には、バットで評価を得るしかない。

 また、レンジャーズは、勝とうとしている。めざしているのは、7年ぶりの勝ち越しではなく、7年ぶりのポストシーズン進出だ。昨オフに遊撃手のコリー・シーガーと二塁手のマーカス・シミエンらを迎え入れたのに続き、今オフは、ジェイコブ・デグロームネイサン・イオバルディアンドルー・ヒーニーらを手に入れ、ローテーションを整備した。ここから開幕までに、レギュラークラスの外野手を加える可能性もある。

 ジ・アスレティックのケン・ローゼンタールによると、レンジャーズはブライアン・レイノルズ(ピッツバーグ・パイレーツ)に興味を抱いている球団の一つだという。FA市場には、ジャリクソン・プロファーアダム・デュボールらが残っている。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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