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調停回避の年俸がホアン・ソトより高かった選手は、その後どんな契約を得たのか。大谷翔平は来オフにFA

宇根夏樹ベースボール・ライター
ホアン・ソト(サンディエゴ・パドレス)Oct 22, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 1月13日、ホアン・ソトとサンディエゴ・パドレスは、2300万ドルで合意に達し、年俸調停を回避した。

 この金額は、調停の申請権を持つ選手の年俸(1年契約)の歴代4位タイに位置する。大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)の3000万ドル(2023年)、ムーキー・ベッツ(当時ボストン・レッドソックス/現ロサンゼルス・ドジャース)の2700万ドル(2020年)、ノーラン・アレナード(当時コロラド・ロッキーズ/現セントルイス・カーディナルス)の2600万ドル(2019年)に次ぎ、2018年のジョシュ・ドーナルソン(当時トロント・ブルージェイズ/現ニューヨーク・ヤンキース)と並ぶ。それまで歴代5位に位置していた、フランシスコ・リンドーア(ニューヨーク・メッツ)の2230万ドル(2021年)を上回った。

 このままいくと、大谷は来オフにFAとなる。一方、ソトがFA市場に出るのは、その次のオフ、2024年のシーズン終了後だ。

 リンドーアを含む、あとの4人のうち、ベッツは、調停の回避から1ヵ月経たないうちに、トレードでレッドソックスからドジャースへ移り、7月にドジャースと12年3億6500万ドル(2021~32年)の延長契約を交わした。季節は夏だが、開幕の直前だ。新型コロナウイルスのパンデミックにより、2020年の開幕は大幅に遅れた。

 トレードを挟んではいないものの、アレナードとリンドーアも、ベッツと似ている。アレナードは調停回避の翌月に8年2億6000万ドル(2019~26年)、リンドーアは約3ヵ月後に10年3億4100万ドル(2022~31年)の延長契約を手にした。アレナードは、確定させた2019年の年俸を延長契約と置き換えた形だ。

 ドーナルソンだけは、延長契約を交わすことなく、夏のトレードでクリーブランド・インディアンズへ移籍し、シーズン終了後にFAとなった。これには、理由がある。ドーナルソンはブレイクが遅く、2018年の開幕を迎えた時点の年齢は、すでに32歳だった。

 ソトは、昨年10月に24歳の誕生日を迎えたところだ。大谷と同じく、総額5億ドル以上の契約を得てもおかしくなく、一方が史上初、もう一方は2人目となるかもしれない。昨年の夏、ワシントン・ナショナルズは、ソトをパドレスへ放出した。ジ・アスレティックのケン・ローゼンタールによると、ソトと代理人のスコット・ボラスは、トレードの前に、ナショナルズから提示された15年4億4000万ドルの延長契約を拒否したという。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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