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デグロームの5年1億8500万ドルは高いのか。年平均3700万ドルはシャーザーに次ぐ史上2位

宇根夏樹ベースボール・ライター
ジェイコブ・デグローム(左)とマックス・シャーザー Sep 23, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 テキサス・レンジャーズが、大物投手を手に入れた。12月2日、レンジャーズの広報は、ジェイコブ・デグロームと5年契約を交わしたことを発表した。

 ESPNのジェフ・パッサンによると、5年契約の総額は1億8500万ドル。全球団に対するトレード拒否権と、コンディションによる6年目のオプションがついていて、それが行使となった場合は、6年2億2200万ドルになるという。

 また、ジ・アスレティックのレビ・ウィーバーは、各シーズンの年俸について、2023年が3000万ドル、2024年と2025年が4000万ドル、2026年が3800万ドル、2027年は3700万ドルと報じている。

 5年1億8500万ドルの年平均額は、3700万ドルだ。今シーズン、デグロームがメッツでチームメイトだったマックス・シャーザーの4333万3333ドルに次ぎ、史上2番目に高い。昨オフ、シャーザーは3年1億3000万ドルの契約を手にした。それについては、1年前に「37歳の投手が3年1億3000万ドルの契約を得る。「年4000万ドル以上」は史上初」で書いた。

 デグロームは、2017~19年にいずれも200イニング以上を投げ、短縮シーズンの2020年も規定投球回をクリアしたが、ここ2シーズンはどちらも100イニングに達していない。来年6月には、35歳となる。

 だが、リスクは低くないものの、レンジャーズにとって、高すぎる契約ではないはずだ。デグロームの実力は、現役投手のトップクラスに位置する。トップと言っても、決して過言ではない。これくらい出さなければ、手に入れることはできなかっただろう。

 ここ5シーズン(2018~22年)は、102登板で645.1イニングを投げ、このスパンに400イニング以上を投げた112人中、2位の奪三振率12.22と6位の与四球率1.77、2位のK/BB6.90に、どちらも1位の防御率2.05とFIP2.14を記録している。しかも、デグロームに次ぐ2位は、防御率が2.33のジャスティン・バーランダー(現FA)、FIPは2.74のマックス・シャーザー(現ニューヨーク・メッツ)なので、そこには明らかな差がある。特に、FIPの差は大きい。ちなみに、バーランダーのFIPは2.90、シャーザーの防御率は2.66だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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