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大谷翔平がここ2年に記録した防御率は、計250イニング以上の6位。ダルビッシュ有のK/BBは8位

宇根夏樹ベースボール・ライター
大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)Oct 5, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)は、2021~22年に計296.1イニングを投げ、防御率2.70とFIP2.89を記録した。これらのスタッツは、ここ2シーズンに250イニング以上の83人中、どちらも6位に位置する。

 防御率とFIPの両方とも大谷より低い投手は、マックス・シャーザー(現ニューヨーク・メッツ)とカルロス・ロドーン(現FA)の2人しかいない。シャーザーは防御率2.38(1位)とFIP2.81(5位)、ロドーンは防御率2.67(5位)とFIP2.42(1位)だ。

 ここ2シーズンにおける、各スタッツのトップ3と日本人投手3人の数値は、以下のとおり。対象は、300イニング以上あるいは324イニング(162イニング×2シーズン)以上ではなく、250イニング以上としている。ダルビッシュ有(サンディエゴ・パドレス)は361.0イニングだが、大谷と菊池雄星(現トロント・ブルージェイズ)は300イニング未満。菊池は257.2イニングだ。トップ3に名を連ねる投手のうち、ブレイク・スネル(パドレス)、ネイサン・イオバルディ(現FA)、レンジャー・スアレス(フィラデルフィア・フィリーズ)の3人も、300イニングに達していない。

筆者作成
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 大谷は、奪三振率11.39もトップ10にランクインしている。すぐ上の6位は11.63のコービン・バーンズ(ミルウォーキー・ブルワーズ)、すぐ下の8位は11.34のシャーザーだ。

 ダルビッシュは、K/BB4.89が8位。こちらは、5.13のザック・ウィーラー(フィリーズ)と4.81のシェーン・ビーバー(クリーブランド・ガーディアンズ)の間だ。ダルビッシュとウィーラーは、リーグ・チャンピオンシップ・シリーズの第1戦と第5戦に投げ合った。ともに2試合で計13.0イニングを投げ、ダルビッシュは12奪三振と4与四球と自責点4、ウィーラーは16奪三振と1与四球と自責点2。どちらの試合も、フィリーズが勝利を収めた。

 一方、菊池の奪三振率10.02はダルビッシュより上ながら、与四球率4.19と被本塁打率1.75はワースト3位だ。ちなみに、菊池の被本塁打は、2ラン以上が半数近くを占めた。23本中11本なので、47.8%だ。大谷とダルビッシュは、それぞれ、35.7%(14本中5本)と27.3%(22本中6本)だった。菊池は、FIP5.00とK/BB2.39もワースト10入り。ワースト5位とワースト9位に位置した。

 各スタッツのワーストは、防御率が6.05のパトリック・コービン(ワシントン・ナショナルズ)、FIPが5.15のザック・デイビーズ(現FA)、奪三振率が5.64のザック・グレインキー(現FA)、与四球率が4.24のクリス・ブービッチ(カンザスシティ・ロイヤルズ)、K/BBが1.70のデイビーズ、被本塁打率は1.78のコービンだ。コービンは、最多の35敗も記録している。

 コービンとは対照的に、シャーザーに次ぐ防御率2.57を記録したフリオ・ウリーアス(ロサンゼルス・ドジャース)は、ここ2シーズンに37勝を挙げた。30勝以上はウリーアス、30敗以上はコービンだけだ。また、ここ2シーズンに400イニング以上は、434.1イニングのサンディ・アルカンタラ(マイアミ・マーリンズ)しかいない。アルカンタラは、2シーズン続けて200イニングを超えている。

 ここ2シーズンの合計スタッツの野手編は、こちら。

「ここ2年の合計。大谷翔平の「14三塁打」は2位、「34敬遠四球」は最多」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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