彼が手腕を振るえば、あの球団も強くなるのか。リーグ優勝はフィリーズが4球団目
ロサンゼルス・エンジェルスも、デーブ・ドンブロウスキを球団に迎え入れるべきかもしれない。
ドンブロウスキが、GMあるいはその上に位置する編成責任者を務めるのは、現在のフィラデルフィア・フィリーズが5球団目だ。その前の4球団は、モントリオール・エクスポズ(現ワシントン・ナショナルズ)、フロリダ・マーリンズ(現マイアミ・マーリンズ)、デトロイト・タイガース、ボストン・レッドソックス。最初のエクスポズ以外は、いずれも、ドンブロウスキがいた時期にリーグ優勝を飾っている。マーリンズは1997年、タイガースは2006年と2012年、レッドソックスは2018年、フィリーズは今年だ。ポストシーズン進出の回数は、その倍に達する。1997年のマーリンズと2018年のレッドソックスは、ワールドシリーズも制した。
フィリーズがドンブロウスキを招聘したのは、2020年12月だ。2007~11年に地区5連覇――2008年はワールドシリーズ優勝、2008~09年はリーグ連覇――を成し遂げた後、フィリーズは9年続けて勝率.500以下に終わっていた。今年のポストシーズン進出は11年ぶり。ドンブロウスキが手腕を振るい始めてから、2度目のシーズンだ。
ゼロに近い状態から、ドンブロウスキが選手を集めたわけではない。例えば、ブライス・ハーパーは2019年、ザック・ウィーラーは2020年から、フィリーズでプレーしている。けれども、昨オフにFA市場で手に入れたカイル・シュワーバーとニック・カステヤノスや、この夏にトレードで獲得したブランドン・マーシュ、ノア・シンダーガード、デビッド・ロバートソンら、ドンブロウスキがフィリーズに加えた選手は少なくない。
新たな選手だけでなく、昨年1月には、FAになったJ.T.リアルミュートと再契約を交わしている。また、今年6月に行った監督の交代も、ドンブロウスキの功績と看做していいだろう(「フィリーズのような「監督が途中で交代しながらリーグ優勝」は何度目!? ワールドシリーズ優勝は…」)。
現在、ドンブロウスキは66歳だ。2019年の夏にレッドソックスから解雇された後は、1年以上のブランクがあった――テネシー州ナッシュビルにメジャーリーグの球団を誘致しようとするグループのアドバイザーを務めていた――が、30年以上にわたって行ってきた、編成の手腕は錆びついていなかったようだ。
ドンブロウスキの契約は4年2000万ドルなので、あと2年が残っている。ちなみに、2015年の夏にタイガースから解雇された時は、その2週間後にレッドソックスの編成責任者に就任した。