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マーシュもそうなる!? シーズン途中にリーグを移りながら、移籍前のリーグでゴールドグラブ受賞は…

宇根夏樹ベースボール・ライター
ブランドン・マーシュ Jun 20, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ゴールドグラブのファイナリスト、各ポジション3人とユーティリティ3人のなかには、シーズン途中に移籍した選手が6人いる。

 そのうちの4人は、ア・リーグのチームからア・リーグ、あるいはナ・リーグのチームからナ・リーグのチームへ移ったので、シーズンを通して1リーグでプレーしたという点は、移籍しなかった選手と変わらない。アンドルー・ベニンテンディ(カンザスシティ・ロイヤルズ→ニューヨーク・ヤンキース)、ジャッキー・ブラッドリーJr.(ボストン・レッドソックス→トロント・ブルージェイズ)、ウィット・メリフィールド(ロイヤルズ→ブルージェイズ)、ホアン・ソト(ワシントン・ナショナルズ→サンディエゴ・パドレス)がそうだ。

 一方、あとの2人は、両リーグでプレーした。ブランドン・マーシュは、ア・リーグのロサンゼルス・エンジェルスからナ・リーグのフィラデルフィア・フィリーズへ。デビッド・ペラルタは、ナ・リーグのアリゾナ・ダイヤモンドバックスからア・リーグのタンパベイ・レイズへ移った。マーシュがファイナリストとなっているのはア・リーグのレフト、ペラルタはナ・リーグのレフトだ。

 シーズン途中に違うリーグへ移りながら、移籍前のリーグでゴールドグラブに選ばれた選手は、見落としがなければ、過去に4人いる。

 1964年のビク・パワーは、6月11日にミネソタ・ツインズからエンジェルス、9月9日にエンジェルスからフィリーズへ移った。ア・リーグ→ア・リーグ→ナ・リーグだ。そして、ア・リーグの一塁手として、7年連続7度目のゴールドグラブに選ばれた。2015年のヨエニス・セスペデスは、7月末にア・リーグのデトロイト・タイガースからナ・リーグのニューヨーク・メッツへ移籍し、ゴールドグラブはア・リーグのレフトとして受賞した。

 2019年は、どちらのリーグも、シーズン途中に違うリーグへ移った投手がゴールドグラブを手にした。ナ・リーグで受賞のザック・グレインキー(現ロイヤルズ)は、7月末にダイヤモンドバックスからヒューストン・アストロズへ。ア・リーグで選出されたマイク・リークは、グレインキーと同じ日に、シアトル・マリナーズからダイヤモンドバックスへ移った。奇しくも、ダイヤモンドバックスを去った投手とダイヤモンドバックスに加わった投手が、どちらもゴールドグラブを手にした。

 なお、今年、マーシュとともに、ア・リーグのレフトでファイナリストとなっているのは、ベニンテンディとスティーブン・クワン(クリーブランド・ガーディアンズ)だ。マーシュかクワンが受賞すれば初、ベニンテンディなら2年連続2度目となる。他のポジションも含め、発表は11月1日だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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