マリナーズが「ポストシーズン史上2番目の大逆転」。7点差をひっくり返し、次のシリーズへ進む
シアトル・マリナーズとトロント・ブルージェイズのワイルドカード・シリーズは、マリナーズの2勝0敗で終わった。第1戦のスコアは4対0、第2戦は10対9だ。
第2戦の5回裏が終わった時点では、第3戦までもつれそうな気配が漂っていた。マリナーズは、1対8とリードされていた。
6回表、マリナーズは、ヒット3本で無死満塁とし、そこから2人がアウトになったものの、ワイルド・ピッチとカルロス・サンタナのホームランで4点を挙げた。一方、ブルージェイズは、7回裏に1点を加えた。この時点で、スコアは5対9だ。
8回表、マリナーズは、再び4点を挙げ、同点に追いつく。二塁打とシングル・ヒットで1点を返し、さらに、シングル・ヒットを2本続けて無死満塁に。そこから、2人続けて三振を喫したが、J.P.クロフォードが打ったフライを追い、センターのジョージ・スプリンガーと遊撃のボー・ビシェットが交錯した結果、走者一掃の二塁打となった。
そして、9回表。マリナーズは、カル・ローリーとアダム・フレイジャーの二塁打――2者連続ではない――で1点をリードする。最後は、ルーキーの先発投手、ジョージ・カービーが締めくくった。
ベースボール・リファレンスなどによると、7点以上の差をつけられたチームの逆転勝利は、ポストシーズン史上3試合目だという。1929年のワールドシリーズ第4戦は、フィラデルフィア・アスレティックスが8点差から逆転勝ち。2008年のリーグ・チャンピオンシップ・シリーズ第5戦は、ボストン・レッドソックスが7点差から逆転し、白星を挙げた。
この2試合は、どちらも7回裏に反撃が始まった。7回表を終えた時点のスコアは、それぞれ、0対8と0対7だった。アスレティックスは、7回裏に10点を挙げ、10対8で勝利を収めた。レッドソックスは、7回裏に4点、8回裏に3点、9回裏に1点を挙げた。最後は、J.D.ドルーのサヨナラ・ヒットだ。
なお、1929年のアスレティックスは、4勝1敗でシカゴ・カブスを下し、ワールドチャンピオンとなった。2008年のレッドソックスは、3勝4敗でタンパベイ・レイズに屈した。
マリナーズは、次のディビジョン・シリーズで、同じ西地区のヒューストン・アストロズと顔を合わせる。今シーズンの対戦は、マリナーズの7勝12敗。前半戦は6勝6敗だが、後半戦は1勝6敗だ。ただし、8月以降は対戦していない。
ディビジョン・シリーズ第1戦の先発マウンドには、ジャスティン・バーランダー(アストロズ)が上がる。マリナーズの先発投手は、ローガン・ギルバートの可能性が高い。
マリナーズは、21年ぶりのポストシーズン進出により、「ポストシーズンから最も遠ざかっているチーム」の称号を返上した。ここから、あと7勝を挙げると、「ワールドシリーズに進出したことのない唯一のチーム」でもなくなる。
マリナーズから、「ポストシーズンから最も遠ざかっているチーム」の称号を受け継いだチームについては、こちらで書いた。