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広島東洋の堂林翔太がリーチをかけている「9打席連続三振」はNPBだけでなくMLBでも史上最長!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
リック・アンキール March 10, 2005(写真:ロイター/アフロ)

 9月10日の6打席以降、堂林翔太(広島東洋カープ)は、8打席続けて三振を喫している。次の打席も三振だと、2006年6月~7月の鉄平と今年6月の鵜飼航丞(中日ドラゴンズ)に並び、野手では史上最長となる。

 メジャーリーグ(ナ・リーグとア・リーグ)でも、20年前までは、9打席連続三振が野手の最長だった。これを記録した選手のなかには、レジー・ジャクソンボー・ジャクソンもいる。レジーは、563本塁打と歴代最多の2597三振を記録したスラッガーだ。1977年のワールドシリーズ第6戦では、3打席続けてホームラン。「ミスター・オクトーバー」のニックネームを持ち、殿堂入りしている。ボーは、MLBとNFLでプレーした。こちらは、「BO KNOWS(ボーは知っている)」のキャッチ・コピーがよく知られている。

 新記録を打ち立てたのは、リック・アンキールだ。2013年4月2日の3打席目から、10打席連続三振を記録した。ちなみに、ストリークは、ダルビッシュ有(当時テキサス・レンジャーズ/現サンディエゴ・パドレス)に喫した三振からスタートした。この日のダルビッシュは、完全試合まで1アウトに迫った。アンキールは、4月10日の1打席目にホームランを打ち、連続三振に終止符を打った。

 もともと、アンキールは、野手ではなく、投手だった。メジャーリーグ2年目の2000年は、175.0イニングを投げ、ナ・リーグ2位の奪三振率9.98と9位の防御率3.50を記録した。だが、コントロールが定まらなくなり、2005年から外野手に転向。強肩で鳴らしただけでなく、2008年には、25本塁打とOPS.843を記録した。

 なお、打席に立った投手による連続三振は、日本プロ野球のほうがメジャーリーグよりも長い。日本プロ野球は、2003年3月~5月にドミンゴ・グスマンが記録した18打席連続三振が最長。メジャーリーグの最長は、見落としがなければ、1955年6月~9月にサンディ・コーファックスが記録した12打席連続三振だ。

 当時のコーファックスは、メジャーリーグ1年目。この年は、打率も出塁率も.000のみならず、すべての打席で三振を喫した(翌年の1打席目が四球)。その後、コーファックスは、サイ・ヤング賞を3度受賞し、殿堂入りしている。2003年のドミンゴは、打率も出塁率も.094。54打席に立ち、53打数5安打と1犠打を記録した。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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