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ゲレーロJr.の100本塁打は「史上10番目の若さ」と「史上12番目の若さ」のどっち!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
ブラディミール・ゲレーロJr.(トロント・ブルージェイズ)Sep 14,2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 9月14日、ブラディミール・ゲレーロJr.(トロント・ブルージェイズ)は、シーズン28本目のホームランを打ち、通算100本塁打に到達した。年齢は、23歳182日だ。

 これについて、MLB.comのジョーダン・ホロビンは、史上12番目の若さで100本塁打に到達、としている。一方、APのイアン・ハリソンは、史上10番目の若さ、と報じていて、スター・トリビューンなどが配信している。

 それぞれの「史上」は、ア・リーグ/ナ・リーグとメジャーリーグだ。おそらく、違いはない。メジャーリーグには、ア・リーグとナ・リーグ以外のリーグを含むこともあるが、その場合は対象が広がるので、ハリソンの報じる順位は、ホロビンが報じている順位より上にはならないはずだ。

 調べたところ、100本塁打に到達した時点の年齢が、ゲレーロJr.より年少だった選手は、以下の9人しか見つからなかった。

メル・オット/22歳132日

トニー・コニグリアロ/22歳197日

エディ・マシューズ/22歳293日

アレックス・ロドリゲス/23歳16日

アンドルー・ジョーンズ/23歳62日

ミゲル・カブレラ/23歳127日

ジョニー・ベンチ/23歳161日

ホアン・ソト/23歳169日

ブライス・ハーパー/23歳181日

 誰かを見落としているのか、それとも、最近になって生年月日の誤りが判明した選手がいるのだろうか。この9人以外に、100本塁打に到達した時点の年齢がゲレーロJr.よりも下の選手をご存じの方がいらっしゃれば、ご教示ください。

 なお、9人のうち、カブレラ、ソト、ハーパーは、ゲレーロJr.と同じく現役選手だ。100本塁打に到達した時点のチームと現在のチームは、それぞれ、フロリダ・マーリンズとデトロイト・タイガース、ワシントン・ナショナルズとサンディエゴ・パドレス、ナショナルズとフィラデルフィア・フィリーズ。ソトは、今年4月12日に100本目のホームランを打った。

 ちなみに、24歳未満で100本塁打の現役選手は、他にもいる。ロナルド・アクーニャJr.(アトランタ・ブレーブス)が23歳184日、アルバート・プーホルス(セントルイス・カーディナルス)が23歳185日、ジャンカルロ・スタントン(当時マイアミ・マーリンズ/現ニューヨーク・ヤンキース)が23歳221日、マイク・トラウト(ロサンゼルス・エンジェルス)は23歳253日だ。

 順位はさておき、ゲレーロJr.がかなりの若さで100本塁打に到達したことは、間違いない。同名の父は、100本目のホームランを打った時、25歳77日だった。

 ただ、100本塁打までに要した試合は、父のほうがゲレーロJr.よりも少ない。父の438試合に対し、ゲレーロJr.は486試合だ。殿堂選手の父は、21歳223日でメジャーデビューし、16シーズンにわたってプレーし、449本のホームランを打った。最後の試合に出場した時の年齢は、36歳231日だ。ゲレーロJr.は20歳41日でデビューし、現在、メジャーリーグ4年目を過ごしている。

 なお、日本プロ野球で100本塁打に到達した時点の年少記録については、昨年9月にこちらで書いた。

「25歳未満で100本塁打の選手は、通算何本のホームランを打ったのか。現在99本の村上宗隆はまだ21歳」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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