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「20-20」達成のルーキーが得た延長契約は最大「18年4億7000万ドル」に

宇根夏樹ベースボール・ライター
フリオ・ロドリゲス(シアトル・マリナーズ)Aug 23, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 フリオ・ロドリゲス(シアトル・マリナーズ)は、8月24日に20本目のホームランを打ち、それまでに記録していた23盗塁と合わせ、20-20を達成した。今シーズンは、メジャーリーグ1年目。開幕戦でデビューした。年齢は21歳だ。

 続いて、ロドリゲスは、延長契約を交わした。MLB.comのジェシー・サンチェスやESPNのジェフ・パッサンらが報じている。この契約は、最大で18年4億7000万ドル(2022~39年)になるという。

 ベースの契約は、今シーズンを含む8年1億2000万ドル(2022~29年)だ。契約7年目が終わった2028年のオフに、マリナーズは球団オプションを行使するか破棄するかを選択する。このオプションは、2022~28年のMVP投票の結果により、年数と金額が変動する。下は8年2億ドル(2030~37年)、上は10年3億5000万ドル(2030~39年)だ。その間も存在する。

 下であれば、全体の契約は16年3億2000万ドル(2022~37年)となる。8年1億2000万ドル(2022~29年)+8年2億ドル(2030~37年)だ。上なら、全体は18年4億7000万ドル(2022~39年)。こちらは、8年1億2000万ドル(2022~29年)+10年3億5000万ドル(2030~39年)だ。

 一方、2028年のオフに、マリナーズが球団オプションを破棄した場合は、5年9000万ドル(2030~34年)の選手オプション――選手側が行使するかしないかを選択できる――が発生する。このパターンは、菊池雄星(現トロント・ブルージェイズ)とマリナーズが交わしていた契約と同じだ(「菊池雄星とマリナーズの契約は、あと1年か4年。今オフに退団の可能性も!?」)。ロドリゲスがオプションを行使すると、全体の契約は13年2億1000万ドル(2022~34年)となる。

 最大の18年4億7000万ドルでも、年平均額は3000万ドルに満たない。約2611万ドルだ。ただ、総額は、現時点では最も高いマイク・トラウト(ロサンゼルス・エンジェルス)の12年4億2650万ドル(2019~30年)を超え、この夏にホアン・ソト(当時ワシントン・ナショナルズ/現サンディエゴ・パドレス)が断った15年4億4000万ドル(2023~37年)の申し出も凌ぐ。

 なお、今シーズン、ロドリゲスが30-30を達成すれば、2012年に30本塁打と49盗塁のトラウトに続き、ルーキーでは史上2人目となる。マリナーズのレギュラーシーズンは、あと37試合だ。ちなみに、10年前のトラウトは、ルーキーながら、メジャーリーグ2年目だった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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