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菊池雄星とマリナーズの契約は、あと1年か4年。今オフに退団の可能性も!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
菊池雄星(シアトル・マリナーズ)Sep 12, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 菊池雄星(シアトル・マリナーズ)のメジャーリーグ3年目が終わった。

 菊池とマリナーズは、4年5600万ドルの契約を交わしている。これは、菊池が少なくとも5600万ドルを得られることを意味する。内訳は、契約金の600万ドル、2019年の年俸800万ドル、2020年の年俸1400万ドル、2021年の年俸1500万ドルに、選手オプションである――選手側が行使するかしないかを選ぶことができる――2022年の年俸1300万ドルだ。

 ただ、2022年の選手オプションが発生するのは、マリナーズが球団オプションを破棄した場合。こちらは、4年6600万ドル。2022年から2025年まで、年俸1650万ドルずつだ。

筆者作成
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 菊池のシーズン防御率は、2019年が5.46(161.2イニング)、2020年が5.17(47.0イニング)、2021年は4.41(157.0イニング)だった。今シーズンの前半戦は3.48を記録し、オールスター・ゲームにも選ばれたが、後半戦は5.98。9月23日の登板を最後にローテーションから外され、ブルペンからの登板機会もなかった。

 今オフ、マリナーズは、球団オプションを破棄する可能性が高そうだ。5000万ドル以上を投じれば、FA市場から、菊池よりも計算できる先発投手を手に入れられる、と判断するのではないだろうか。

 そうなると、菊池は、選手オプションを行使してマリナーズに残留するか、行使せずにFAになるのかを選ぶことになる。

 ここまでの成績からすると、FAとなった場合、好条件の契約は得られそうにない。選手オプションを行使し、来シーズン、好成績を残してFA市場に出る、というシナリオを描くのが普通に思える。けれども、菊池が日本プロ野球へ戻ることを視野に入れるのであれば、今オフの退団もあり得る。

 なお、FAになったとしても、菊池とマリナーズは、再契約を交わすこともできる。

 ちなみに、今オフ、4年6600万ドルの球団オプションを行使するかしないかによって、マリナーズが埼玉西武ライオンズに支払う金額も変動する。4年5600万ドルの契約に対するポスティング費の1027万5000ドルに、795万ドルが加わる。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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