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読売ジャイアンツの「2年連続負け越し」は過去1度だが…。昨年は借金1、今年も現時点で借金7

宇根夏樹ベースボール・ライター
今シーズンの借金は、ホームで1、アウェーで6 June 19, 2020(写真:ロイター/アフロ)

 7月14日以降、読売ジャイアンツは、借金を抱えている。8月4日~14日の10試合で8勝を挙げ、勝率.500まで1勝に迫ったが、16日~21日の6連敗により、借金は今シーズン最多の7に戻った。ここ7試合とも3得点以下にとどまり、直近の3試合は1得点以下。それに対し、ここ5試合は4失点以上だ。

 昨シーズンの勝率は.496(61勝62敗20分)だった。3位に位置したものの、最後の試合に敗れ、3年ぶりに負け越した。今シーズンは、あと29試合。借金を完済できないと、2年連続負け越しとなる。

 1リーグ時代を含め、読売が2年続けて勝率.500未満に終わったのは、2005~06年の1度きりだ。2005年が勝率.437(62勝80敗4分)、2006年は勝率.451(65勝79敗2分)。両年の監督は違い、堀内恒夫原辰徳(2期目)だったので、昨シーズンに続いて今シーズンも勝率.500未満なら、同じ監督による連続負け越しは、球団史上初となる。

 ちなみに、現12球団のなかでは、埼玉西武ライオンズも、連続負け越しが1度しかない。ただ、その期間は長く、1968年から1980年まで13年連続だ。この間、1973~75年と1980年は、前期と後期の一方が勝率.500以上ながら、年間のトータルで負け越した。

 もっとも、現在、読売は5位にいるものの、3位の阪神タイガースの差は3ゲームに過ぎない。2年連続負け越しとなっても、5年連続ポストシーズン進出の可能性はある。過去4年のうち、2018年と2021年は3位に位置し、2019~20年はリーグ優勝を飾っている。

 その一方で、2年連続負け越しのみならず、1975年以来となる、球団史上2度目の最下位もあり得る。6位の中日ドラゴンズとは、1.5ゲームしか離れてない。

 また、このままの勝率.469か、それよりも低い勝率でシーズンを終えると、1950年以降の球団ワースト5にランクインする。現時点のワースト5は、1975年の勝率.382(47勝76敗7分)、2005年の勝率.437(62勝80敗4分)、2006年の勝率.451(65勝79敗2分)、1997年の勝率.467(63勝72敗0分)、1979年の勝率.483(58勝62敗10分)だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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