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森下暢仁は「シーズン被安打200本」のペース。過去11年に記録した投手は皆無

宇根夏樹ベースボール・ライター
森下暢仁 August 7, 2021(写真:ロイター/アフロ)

 今シーズン、森下暢仁(広島東洋カープ)は、どの投手よりも多くのヒットを打たれている。被安打110本は、セ・リーグで森下に次いで多い柳裕也(中日ドラゴンズ)と22本差。パ・リーグは、被安打77本の田中将大(東北楽天ゴールデンイーグルス)が最も多い。

 広島東洋は、これまでに73試合を終えていて、あと70試合を行う。現在は、ほぼ中間地点だ。森下の被安打は、シーズン全体で200本に達してもおかしくない。

 シーズン被安打200本以上は、2001年以降に限っても延べ17人を数えるが、2010年の2人、209本の石川雅規(東京ヤクルト・スワローズ)と203本の清水直行を最後に、過去11シーズン(2011~21年)は途絶えている。

筆者作成
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 被安打の多い投手は、概して、イニングも多い。今シーズンの森下も、セ・リーグ最多の95.0イニングを投げている。

 また、なかには、多くのヒットを打たれながら、優れたシーズン防御率を記録した投手もいる。例えば、2002年のネイサン・ミンチーがそうだ。被安打222本はリーグ最多だが、防御率2.85は3位に位置した。2003年に被安打200本の清水も、同じくリーグ3位の防御率3.13を記録している。とはいえ、彼らのような例は少ない。森下の防御率3.60も、セ・リーグで最も高い。

 なお、2020年の森下は、122.2イニングを投げ、被安打が102本、1イニング平均の被安打が0.83本、防御率は1.91。昨シーズンは、163.1イニングで、被安打144本、1イニング平均0.88本、防御率2.98だった。今シーズン、1イニング平均の被安打は1.16本だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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