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エンジェルスは夏のトレードでこの選手を手に入れ、レンドーンの穴を埋めるのか

宇根夏樹ベースボール・ライター
アンソニー・レンドーン(ロサンゼルス・エンジェルス)Apr 26, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 アンソニー・レンドーン(ロサンゼルス・エンジェルス)は、早くも今シーズンを終えた。6月17日、エンジェルスは、レンドーンについて、来週早々にシーズン終了となる右手首の手術を受ける、と発表した。

 今シーズン、エンジェルスでは、レンドーン以外に3人が三塁を守っている。マット・ダフィータイラー・ウェイドに、レンドーンの故障者リスト入りに伴い、AAAから再昇格したジャック・メイフィールドだ。

 いずれも、ポストシーズン進出をめざすチームのレギュラーとしては、かなり物足りない。今シーズンのOPSは、このなかで最も高いダフィーでも.657に過ぎず、ホームランに至っては、3人合わせても2本だ。

 また、遊撃のアンドルー・ベラスケスと二塁(と外野)を守るルイス・レンヒーフォも、OPSは.600に届いていない。レンドーンがいなくなり、内野の4ポジション中3ポジションは、打てない選手が占めることになる。ジャレッド・ウォルシュが守る一塁以外だ。

 オールスター・ブレイクの前にデビッド・フレッチャーが復帰しても、事態はそう改善されそうにない。昨シーズンのOPSは.621。今シーズンの14試合は、さらに打てていない。しかも、パワーに関しては、もともと皆無に等しい。

 一方、シンシナティ・レッズは、今夏のトレード市場で、ブランドン・ドゥルーリーを売りに出すだろう。レッズは借金18を抱えており、ドゥルーリーは今オフにFAとなる。

 今シーズン、ドゥルーリーは、三塁と二塁を主に守り、ここまでの55試合で14本塁打とOPS.865を記録している。過去7シーズンのベストは、2016年に134試合で16本塁打と.786。今シーズンは、メジャーリーグ8年目のブレイク、といったところだ。

ブランドン・ドゥルーリー(シンシナティ・レッズ)Jun 7, 2022
ブランドン・ドゥルーリー(シンシナティ・レッズ)Jun 7, 2022写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 ドゥルーリーの守備は、レンドーンには遠く及ばない――レンドーンに匹敵する選手はそうそういない――が、三塁と二塁に加え、遊撃と一塁、外野の両コーナーも守ることができる。エンジェルスの内野事情を踏まえると、ぴったりの選手という見方もできる。

 ただ、ドゥルーリーに興味を示すチームは、少なくないはずだ。エンジェルスが欲しても、手に入れられるかどうかはわからない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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