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シーズンの40%以上が過ぎても、パ・リーグには「防御率1点台」が6人。これまでのシーズン最多人数は…

宇根夏樹ベースボール・ライター
千賀滉大 August 7, 2021(写真:ロイター/アフロ)

 レギュラーシーズンの40%以上が過ぎた。12球団のうち、最も少ない横浜DeNAベイスターズでも58試合を終えている。143試合中58試合なので、全体の40.6%に当たる。

 パ・リーグには、現時点の規定投球回――在籍チームの試合数×1.0以上――に到達し、防御率2.00未満を記録している投手が、6人いる。千賀滉大(福岡ソフトバンク・ホークス)が1.70、佐々木朗希(千葉ロッテ・マリーンズ)が1.70、山本由伸(オリックス・バファローズ)が1.72、加藤貴之(北海道日本ハム・ファイターズ)が1.76、石川歩(千葉ロッテ)が1.81、田中将大(東北楽天ゴールデンイーグルス)は1.99だ。

 田中は、防御率1点台ながら、リーグのトップ5にも入っていない。ちなみに、セ・リーグの防御率2.00未満は、阪神タイガースの2人だ。青柳晃洋西勇輝が、それぞれ、0.89と1.50を記録している。

 防御率2.00未満の人数は、ここから変動するだろう。けれども、パ・リーグの人数がこのままであれば――現時点の6人と同じ顔ぶれでなくても構わない――1シーズンのリーグ最多となる。パ・リーグで防御率2.00未満の投手が最も多かったのは、1956年の5人だ。この年は、稲尾和久島原幸雄種田弘西村貞朗三浦方義が、防御率1点台を記録した。そのうちの3人、稲尾と島原と西村は、西鉄ライオンズで投げた。なお、リーグ6位の伊藤四郎――伊東でも四朗でもない――は、防御率2.00だった。323.2イニングを投げて自責点72。四捨五入しなくても、防御率2.00未満にはならない。2.002…だ。

 セ・リーグでは、同じく1956年に8人が防御率1点台を記録した。四捨五入しなければ、1.995…の杉下茂も含め、9人となる。その前年も、7人を数えた。とはいえ、こちらも半世紀以上前のことだ。

 なお、今世紀のシーズン最多は4人。2011年のパ・リーグで、東北楽天の田中と北海道日本ハムのダルビッシュ有(現サンディエゴ・パドレス)に福岡ソフトバンクの2人、和田毅杉内俊哉が防御率1点台を記録した。今世紀のセ・リーグは、2012年と2015年、2020年の各3人が最も多い。直近の3人は、大野雄大(中日ドラゴンズ)、森下暢仁(広島東洋カープ)、菅野智之(読売ジャイアンツ)だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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