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カブスがこの外野手をロースターから外したのはなぜ? 鈴木誠也は故障者リストにいて、代わりの昇格はなし

宇根夏樹ベースボール・ライター
クリント・フレイジャー(シカゴ・カブス)Apr 12, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 6月10日、シカゴ・カブスは、ロースターの26人中4人を入れ替えた。離脱していた4人、捕手1人と内野手1人と投手2人を復帰させ、入れ替わりに、投手1人を故障者リストに入れ、一塁と内野を守るユーティリティと投手を1人ずつAAAへ送り、外野手1人を40人ロースターから外した。

 DFAとされた外野手は、クリント・フレイジャーだ。今シーズンは、虫垂炎による1ヵ月以上の離脱を挟み、出場19試合で打率.216と出塁率.356。ホームランは打っていない。4月19日までの10試合は打率.143と出塁率.250ながら、5月29日以降の9試合は打率.313と出塁率.476を記録した。

 復帰した4人のうち、リリーフ投手のクリス・マーティンは制限リストに入っていたので、40人ロースターにカウントされていなかった。マーティンをそこに加えるには、誰かを外す必要があった。

 また、フレイジャーと同じ外野手で、5月下旬から故障者リストに入っている鈴木誠也も、まもなく戻ってくる。シカゴ・トリビューンのメーガン・モンテムーロによると、デビッド・ロス監督は、ニューヨーク・ヤンキースと対戦する今週末(6月10日~12日)のどこかで復帰の見込み、と語ったという。

 しかも、センターには、5月17日にデビューしたクリストファー・モレルが定着しつつある。初打席でホームランを打ち、21試合で打率.298と出塁率.381を記録している(6月9日時点)。ホームランは3本、三塁打は2本、二塁打は6本だ。モレルの両隣は、イアン・ハップジェイソン・ヘイワードが守っている。

 ここから、フレイジャーを欲しがる球団は、いくつか出てきても不思議ではない。フレイジャーは、2013年のドラフト全体5位だ。現在の年齢は、鈴木と同じ27歳。故障は少なくないが、2019~20年は計108試合で打率.267と出塁率.347を記録し、ホームランと二塁打を20本ずつ打っている。今シーズンの年俸は150万ドルと安く、2024年のシーズンが終わるまで、FAにはならない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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