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10連敗したチームはポストシーズンに進出できるのか。エンジェルスは9連敗中

宇根夏樹ベースボール・ライター
マイク・トラウト(ロサンゼルス・エンジェルス)Jun 3, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ロサンゼルス・エンジェルスは、5月24日を最後に白星から遠ざかっている。5月25日から6月3日まで、9連敗中だ。6月4日も敗れると、連敗は二桁に達する。

 過去10年(2012~21年)に、10連敗以上を記録しながらポストシーズンにたどり着いたチームは、2017年のロサンゼルス・ドジャースしかない。延べ106チーム――2020年のポストシーズン進出は両リーグ合わせて16チーム――のうち1チームなので、その割合は1%に満たない。10連敗以上ではなく9連敗以上とすると、2012年のオークランド・アスレティックスが加わり、2チームに増えるが、それでも2%未満。8連敗以上は、106チーム中7チーム、6.6%だ。

筆者作成
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 5年前のドジャースは、9月2日~11日に11連敗を記録したが、連敗が始まる前の時点で、貯金は51を数え、地区2位に16ゲーム差をつけていた。11連敗の時点でも、貯金は40あり、地区2位とは9ゲーム差。シーズン全体では、両リーグ最多の104勝を挙げた。

 10年前のアスレティックスは、連敗を記録した時期が、今シーズンのエンジェルスと近い。5月22日~6月1日に9連敗だ。6月1日の試合に敗れた時点で借金8となったものの、その後の110試合で72勝を挙げ、最後にテキサス・レンジャーズを追い抜き、地区優勝を飾った。

 今シーズンのエンジェルスは、現時点で貯金1だ。シーズンは、あと109試合が残っている。ここから再スタートを切り、ポストシーズンに到達することは可能だろう。

 また、今シーズンから、ワイルドカードは1枠増え、それまでの1リーグ2枠から3枠となった。エンジェルスは、6月3日を終えた時点で、ワイルドカード・レースの3番手に位置する。9連敗を記録しながらも、ポストシーズン進出圏内にいるということだ。

 なお、今シーズンの連敗は、シンシナティ・レッズの11連敗(4月12日~23日)が最も長い。他に二桁の連敗はなく、9連敗はエンジェルスの他に2チーム。レッズ(4月26日~5月5日)とアスレティックス(4月29日~5月8日)が記録している。レッズは、11連敗→1勝→9連敗だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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