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投手・大谷翔平が記録した「空振り29球」は今シーズンの1登板最多。昨年のサイ・ヤング賞投手を上回る

宇根夏樹ベースボール・ライター
May 5, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 5月5日、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)は、7イニングを投げて11三振を奪い、四球も失点もなしでマウンドを降りた。99球中、ストライクは81球。スタットキャストによると、ボストン・レッドソックスの打者がスウィングした64球のうち、ファウル・チップを含め、29球が空振りとなった。

 空振り29球は、今シーズンの1登板最多だ。それまでは、4月25日にコービン・バーンズ(ミルウォーキー・ブルワーズ)が記録した、26球が最も多かった。昨年、バーンズはサイ・ヤング賞を受賞した。

 大谷による空振り20球以上は、通算6度目。2018年4月8日の25球と5月13日の20球、昨年6月23日の21球と9月19日の26球、今年4月20日の20球に続く。こちらも、自己最多を3球更新した。

 2008年以降の「ピッチ・トラッキング・エラ」において、5月5日の大谷よりも多くの空振りを記録したエンジェルスの投手は、昨年6月6日に32球のパトリック・サンドバルしかいない。これは、メジャーリーグ全体では、昨年9月1日のゲリット・コール(ニューヨーク・ヤンキース)と並び、5位に位置する。

 トップ4は、2015年9月2日のクレイトン・カーショウ(ロサンゼルス・ドジャース)、2016年8月1日のダニー・ダフィー(当時カンザスシティ・ロイヤルズ/現ドジャース)、2020年9月6日のジェイコブ・デグローム(ニューヨーク・メッツ)が35球ずつ、2016年5月11日のマックス・シャーザー(当時ワシントン・ナショナルス/現メッツ)が33球だ。大谷の29球は、18位タイ。ちなみに、サンドバルとコールに次ぐ7位の31球は、2017年7月21日のダルビッシュ有(当時テキサス・レンジャーズ/現サンディエゴ・パドレス)ら3人だ。

 なお、その登板の全投球が100未満のなかでは、昨年8月11日にバーンズが記録した空振り30球が最も多い。5月5日の大谷と同じ、100球未満で空振り29球は、昨年8月28日にサンディ・アルカンタラ(マイアミ・マーリンズ)が記録している。これらの登板で、バーンズは99球、アルカンタラは98球を投げた。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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