Yahoo!ニュース

400投手以上からホームランを打った打者たち。プーホルスは新記録まであと8人

宇根夏樹ベースボール・ライター
アルバート・プーホルス(セントルイス・カーディナルス)Apr 17, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 4月17日、アルバート・プーホルス(セントルイス・カーディナルス)は、今シーズンの2本目、通算では681本目となるホームランを打った。それについて、ESPNスタッツ&インフォは、こうツイートしている。「プーホルスは日曜日にアーロン・アシュビーからホームランを打った、彼がHRを記録した442人目の違う投手だ。それよりも多いのはバリー・ボンズ(449人)だけ」

 ベースボール・リファレンスで調べたところ、400人以上の投手からホームランを記録した打者は、ボンズとプーホルスの他には、アレックス・ロドリゲス(422人)、ケン・グリフィーJr.(407人)、ジム・トーメイ(403人)がそうだった。

 この5人の通算本塁打(歴代順位)は、ボンズが762本(1位)、プーホルスが681本(5位)、A-RODが696本(4位)、グリフィーJr.が630本(7位)、トーメイは612本(8位)だ。一方、755本(2位)のハンク・アーロンがホームランを打った投手は350人。714本(3位)のベーブ・ルースは216人、660本(6位)のウィリー・メイズは267人だ。

 投手の人数に大きな違いがある――本数と人数の相関関係が成立しない――理由は、通算521本塁打(20位タイ)の3人を比べると、わかりやすいかもしれない。テッド・ウィリアムズは、224人の投手からホームランを打った。ウィリー・マッコビーは245人、フランク・トーマスは336人だ。彼らがメジャーリーグでプレーしたのは、それぞれ、1939~60年(1943~45年は従軍によってプレーせず)、1959~80年、1990~2008年。選手時代が四半世紀以上も離れているテッドとトーマスは、ホームランの本数が同じにもかかわらず、打った投手の人数は100人以上も異なる。

 通算493本塁打(29位タイ)の2人も同様だ。1923~39年にプレーしたルー・ゲーリッグは、166人の投手からホームランを打った。それに対し、1986~2004年にプレーしたフレッド・マグリフがホームランを打った投手は350人を数え、ゲーリッグの2倍を上回る。

 なお、プーホルスの442人目は、1991~2004年にサンディエゴ・パドレスなどで投げたアンディ・アシュビーの甥だ。プーホルスとアンディは、2004年9月8日の同じ試合に、違うチームの選手として出場しているものの、打者と投手としての対戦はなかった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

宇根夏樹の最近の記事