ジャッジはヤンキースを去るのか。7年2億1350万ドルの申し出を却下。今シーズン終了後にFA
今シーズンが終わると、アーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)はFAになる。ヤンキースとジャッジは契約延長の交渉を行っていたが、合意に達することなく、開幕を迎えた。
4月8日、開幕戦が始まる前の記者会見で、ブライアン・キャッシュマンGMは「不首尾に終わった」と語った。7年2億1350万ドルの契約を申し出て、それを却下されたという。天候不良によって開幕が1日遅れたことも、「恵みの雨」にはならなかった。
ジャッジは、今シーズンの年俸も、まだ確定していない。年俸調停を申請している。ジャッジの要求は2100万ドル、ヤンキースの提示は1700万ドルだ。ちなみに、昨シーズンの年俸は1075万5000ドルだった。
NJ.comのブレンダン・クティは、ヤンキースとジャッジの交渉過程を知る関係者からの情報として、ジャッジが求めているのは、少なくとも9年契約で、年平均額は提示された3050万ドル以上、と報じている。9年×3050万ドルだと、総額は2億7450万ドルとなる。
ジャッジのパワーについては、疑問の余地がない。2017年は52本塁打。昨シーズンも、40本塁打まであと1本に迫った。それだけでなく、ジャッジは選球眼がよく、守備も悪くない。ライトを定位置としているが、センターを守ることもできる。さらに、昨シーズンの中盤に、選手だけによるミーティングを招集したことからもわかるように、リーダーシップも備える。
ただ、2018~20年の出場は計242試合。ヤンキースの計384試合中、欠場は40%近い。2018年と2019年のホームランが27本ずつにとどまったのは、これが理由だ。162試合中148試合(91.4%)に出場した昨シーズンも、7月に短期間ながら故障者リストに入っている。また、今月下旬には、30歳の誕生日を迎える。
年平均3000万ドル以上はともかく、故障が少なくない30代の選手と10年近い長期契約を交わすのは、球団にとってリスクが大きい。FA市場に出ても、9年契約を得るのは難しいのではないだろうか。
今シーズンの成績にもよるが、ヤンキースの提示を上回る申し出がないこともあり得る。現時点においては、再契約の可能性が最も高い気がする。もっとも、FAになったジャッジに対し、ヤンキースが再び7年2億1350万ドルの契約を提示するという保証はない。