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レフトとライトがいなくなったレッズで、秋山翔吾はレギュラーになれるのか

宇根夏樹ベースボール・ライター
秋山翔吾(シンシナティ・レッズ)Aug 21, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今オフ、シンシナティ・レッズからは、2人の外野手がいなくなった。レフトを守っていたジェシー・ウィンカーは、三塁手のエウヘニオ・スアレスとともにシアトル・マリナーズへ移籍した。このトレードについては、「マリナーズが獲得した三塁手と外野手は、どちらもスラッガーだが「懸念材料」も」で書いた。一方、ライトのニック・カステヤノスは、あと2年分が残っていた4年6400万ドル(2020~23年)の契約をオプト・アウトし(途中で打ち切り)、FA市場に出て、フィラデルフィア・フィリーズと5年1億ドルの契約を交わした。

 レッズが放出した選手は、ウィンカーとスアレスにとどまらない。FAとなって他球団へ去った選手も、カステヤノスだけではない。

 昨シーズン、レッズで外野手としての先発出場が多かった3人は、134試合のカステヤノス、106試合のタイラー・ネークイン、100試合のウィンカーだ。彼らに次ぐ2人は、40試合のアリスティーディス・アキーノと33試合の秋山翔吾だった。ネークイン、アキーノ、秋山の3人は、今もレッズに在籍している。

 ただ、レギュラーの外野手が2人抜けても、アキーノと秋山が自動的に繰り上がり、今シーズンのレギュラーになるわけではない。

 ニック・センゼルの先発出場は21試合(外野のみ。他に、二塁が6試合と三塁が2試合)だったが、これは、左膝の故障により、長期離脱を余儀なくされたのが理由だ。センゼルは、2016年のドラフト全体2位。数年前までは、トップ・プロスペクトと目されていた。過去2シーズンとも、開幕戦のレッズのセンターは、センゼルだった。

 新たに加わった選手もいる。ウィンカーとスアレスのトレードにより、マリナーズから移籍した3人(と後日決定するPTBNL1人)のうち、ジェイク・フレイリーは外野手だ。2019年にメジャーデビューし、昨シーズンは、78試合で打率.210ながら、9本塁打と10盗塁、出塁率.352を記録した。かつてのシンス・チュー(秋信守)やアダム・ジョーンズのように、マリナーズを去ってブレイクした外野手になるかもしれない。

 マイナーリーグ契約だが、アルバート・アルモーラJr.ジェイク・バウアーズも、レッズに入団している。バウアーズは、外野よりも一塁がメインだが、昨年9月にメジャーデビューしたTJ・フリードルを含め、外野手の人数は少なくない。

筆者作成
筆者作成

 おそらく、センターはセンゼル、ライトかレフトはネークインで決まりだろう。残る一角は、フレイリーとアキーノが併用されるのではないだろうか。となると、外野手はあと1人だ。

 レッズが秋山をマイナーリーグへ降格させるには、秋山自身の同意が必要だが、ロースター入りも確定ではない。アルモーラJr.は、シカゴ・カブスでセンターのレギュラーになると期待されていた。2017~19年は、センターとして計239試合に先発出場している。これは、カブスの試合のほぼ半分だ。2018~19年に限ると、その割合は70%を超える。

 ロースターに入っても、秋山が打席に立つ機会は、そう多いとは思えない。埼玉西武ライオンズでは、2017~19年に3年続けて20本以上のホームランを打ったものの、レッズでは、通算317打数で0本。ISO(長打率-打率)は.050に過ぎず、打率は.224、出塁率は.320だ。守備固めと代走が、主な役割になりかねない。しかも、他の外野手のうち、バウアーズ以外はいずれもセンターを守ることができる。

 また、秋山がレッズと交わしている3年2100万ドルの契約は、今シーズンが3年目だ。レッズがペナントレースから脱落した場合は、秋山よりも、来シーズン以降も保有できる選手を起用するほうが理に適う。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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