NPBを去ってMLBをめざす選手は、ナ・リーグ西地区に集中。韓国や台湾、メキシコへ移った選手も
昨年、日本プロ野球でプレーし、今オフにメジャーリーグの球団と契約した選手は、現時点で8人を数える。そのうちの5人は、ナ・リーグ西地区の球団に在籍し、メジャーリーグ復帰あるいはメジャーデビューをめざす。
前・福岡ソフトバンク・ホークスのニック・マルティネスと前・阪神タイガースのロベルト・スアレスは、サンディエゴ・パドレスからメジャーリーグ契約を得た。ESPNのジェフ・パッサンによると、マルティネスの契約は4年2000万ドル。スアレスの契約は、こちらはAPによると、2年1100万ドルだという。
マルティネスについては、昨年12月に「前・福岡ソフトバンクのマルティネスは、パドレスのローテーションに入れるのか。契約は4年2000万ドル」で書いたとおりだ。スアレスは、メジャーデビュー前ながら、現在のブルペンのメンバーからすると、2019年に阪神で投げたピアース・ジョンソンとともに「勝利の方程式」を形成してもおかしくない。
他の6人は、いずれもマイナーリーグ契約だ。前・北海道日本ハム・ファイターズのロビー・アーリンと前・オリックス・バファローズのステフェン・ロメロは、ともにロサンゼルス・ドジャースへ。前・埼玉西武ライオンズのザック・ニールは、コロラド・ロッキーズに入団した。ロッキーズとドジャースは、パドレスと同じナ・リーグ西地区に属する。埼玉西武でニールとチームメイトだったマット・ダーモディは、1年ぶりにシカゴ・カブスへ戻った。
マイナーリーグ契約の6人中、前・読売ジャイアンツのエリック・テームズ(オークランド・アスレティックス)は、開幕ロースター入りが有望だ。ロメロの場合、今年からナ・リーグにもDHが導入されるが、ドジャースは選手層が厚い上、資金も豊富なので、ロックアウト後にも補強がありそう。現時点においても、ロメロがDHの筆頭候補だとは考えにくい。テームズについては、「読売で出場1試合のテームズがA'sに入団。マイナーリーグ契約ながら、レギュラーもある!?」で書いた。
この他、前・東京ヤクルト・スワローズのアルバート・スアレス、前・オリックスのグレン・スパークマン、前・広島東洋カープのC.J.クロンは韓国、前・福岡ソフトバンクのウラディミール・バレンティンとダリエル・アルバレス、前・オリックスのスティーブン・モヤはメキシコ、前・北海道日本ハムのロニー・ロドリゲスは台湾でプレーする。
また、前・千葉ロッテ・マリーンズのフランク・ハーマンは、カンザスシティ・ロイヤルズトロント・ブルージェイズのフロント・スタッフとなり、スカウティング部門と育成・運営部門の両方に携わる。