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3億5000万ドルの申し出を断ったこの選手は、史上初の「5億ドル」も可能性あり!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
ホアン・ソト(ワシントン・ナショナルズ)Oct 1, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ホアン・ソト(ワシントン・ナショナルズ)と代理人のスコット・ボラスは、球団が申し出た13年3億5000万ドルの延長契約を断った。それについては、数日前に「提示された「3億5000万ドル」の延長契約を断る。希望額は史上2人目の4億ドル!?」で書いた。

 今のところ、総額4億ドル以上の契約を手にしたメジャーリーガーは、マイク・トラウト(ロサンゼルス・エンジェルス)しかいない。2019年の開幕前に、12年4億2650万ドル(2019~30年)の延長契約を交わした。

 ただ、なかには、ソトが総額5億ドルの契約を手にしてもおかしくないと考える選手もいる。トレバー・メイ(ニューヨーク・メッツ)は、ポッドキャストの「ザ・クリス・ローズ・ローテーション」に出演した際、その可能性を問われ、「ベリー・グッド・チャンス」と答えた。

 メイは、右のリリーバーだ。2020年のオフにミネソタ・ツインズからFAとなり、2年1550万ドル(2021~22年)の契約でメッツに入団した。ツインズはア・リーグ中地区、メッツはナショナルズと同じナ・リーグ東地区のチームだ。昨年、メイは、ソトと初めて対戦した。その3打席の結果は、四球、三振、敬遠四球なので、ヒットはないものの、ソトの際立つ点として、メイは、打席における対応・反応――ボール球に手を出さないなど――を挙げている。

 実際にそうなるかどうかはさておき、メイの言うとおり、ソトが5億ドルの契約を手にする可能性はあるはずだ。トラウトは、6年1億4450万ドル(2015~20年)の契約が残り2年となった時点で、12年4億2650万ドル(2019~30年)の契約を交わした。机上の計算ではあるが、前者の契約から2019~20年の分を差し引き、後者の契約と合計すると、16年5億450万ドル(2015~30年)となる。最初の延長契約の1年目、2015年のトラウトは23歳だった(6月30日時点)。2022年のソトも、23歳だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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