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各球団の通算勝利トップ5。東北楽天以外で現役投手がランクインしている球団は…

宇根夏樹ベースボール・ライター
和田毅 August 25, 2004(写真:ロイター/アフロ)

 通算100勝以上の現役投手は、10人を数える。松坂大輔(114勝)、大竹寛(102勝)、中田賢一(100勝)の3人は、昨年限りで引退したが、田中将大(東北楽天ゴールデンイーグルス)と西勇輝(阪神タイガース)が、それぞれ、4月と9月に100勝目を挙げた。

 10人中8人は、1球団で100勝以上を挙げている。例えば、岸孝之(東北楽天)は、141勝のうち103勝を西武/埼玉西武ライオンズで記録した。ただ、その白星が球団トップに位置するのは、103勝の田中だけだ。球史が20年に満たない東北楽天を除くと、球団トップ5にランクインしているのは、177勝の石川雅規(東京ヤクルト・スワローズ)と143勝の和田毅(福岡ソフトバンク・ホークス)しかいない。この2人は、どちらも球団3位だ。

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 球団トップ5に現役投手がほとんどいない理由としては、登板数の減少に加え、移籍も挙げられる。100勝以上の10人のうち、石川と107勝の菅野智之(読売ジャイアンツ)以外の8人は、メジャーリーグを含め、2球団以上で投げている。150勝の涌井秀章(東北楽天)は、西武/埼玉西武で85勝、千葉ロッテ・マリーンズで48勝、東北楽天で17勝だ。

 また、田中もそうだが、ダルビッシュ有(サンディエゴ・パドレス)と前田健太(ミネソタ・ツインズ)は、100勝まで一桁に迫ったところで、メジャーリーグへ移った。昨オ昨オフにメジャーリーグ移籍をめざした菅野も、彼らに近く、その時点では101勝だった。菊池雄星有原航平(テキサス・レンジャーズ)、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)らが日本プロ野球で積み上げた白星は、さらに少ない。

 なお、岸が西武/埼玉西武で挙げた103勝は、球団9位だ。108勝の松坂に次ぎ、池永正明と並ぶ。金子千尋(北海道日本ハム・ファイターズ/通算129勝)がオリックス・バファローズで記録した120勝と、能見篤史(オリックス/通算104勝)が阪神で挙げた104勝は、それぞれの球団の10位に位置する。

 菅野の107勝は、読売の17位だ。これからも移籍せず、あと28勝を挙げると、135勝の江川卓と並び、球団トップ10にランクインする。一軍デビューが今世紀の投手に限ると、菅野は読売の2位。133勝(球団11位)の内海哲也(埼玉西武/通算135勝)に次ぐ。ちなみに、112勝(球団15位)の上原浩治は、1999年にデビューした。

 各球団の通算本塁打トップ3については、こちらで書いた。

「各球団の通算本塁打トップ3。東京ヤクルトは、池山、バレンティン、山田」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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