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12監督中、選手時代に「チーム三冠王」は新庄剛志だけ!? 阪神で盗塁も含め四冠達成

宇根夏樹ベースボール・ライター
新庄剛志 OCTOBER 16, 2002(写真:ロイター/アフロ)

 読売ジャイアンツの原辰徳監督は、1983年にセ・リーグの打点王を獲得している。埼玉西武ライオンズの辻発彦監督は、1993年のパ・リーグ首位打者だ。だが、2人とも、打率、本塁打、打点のいずれも揃ってチーム1位のシーズンはなかった。

 野手としてプレーした現監督8人のうち、「チーム三冠王」になったことがあるのは、北海道日本ハム・ファイターズの新庄剛志監督だけだ。今から21年前の2000年に記録した、打率.278、28本塁打、85打点は、どれも阪神タイガースのトップ。ちなみに、それぞれのチーム2位は、打率.272の坪井智哉、23本塁打の大豊泰昭、57打点のトニー・タラスコだ。この翌年から3シーズン、新庄はメジャーリーグでプレーした。

 野手だった現監督が、チーム・トップの打率、本塁打、打点を記録したシーズンは以下のとおり。新庄の場合、1993年の23本塁打はトーマス・オマリーと並び、1994年の17本塁打は石嶺和彦と同じ本数だった。

筆者作成
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 中日ドラゴンズの立浪和義監督は、1996年にリーグ3位の打率.323を記録したが、チームメイトには、リーグの首位打者を獲得したアロンゾ・パウエル(打率.340)がいた。パウエルと立浪の間のリーグ2位には、打率.333の辻がランクインした。

 チーム・トップがない2人、オリックス・バファローズの中嶋聡監督と阪神の矢野燿大(輝弘)は、どちらも捕手だった。1996年の立浪と同じく、2003年の矢野もリーグ3位の打率.328を記録している。こちらも、リーグ・トップはチームメイトの今岡誠(打率.340)。リーグ2位のアレックス・ラミレス(打率.333)は、2016~20年に横浜DeNAベイスターズで監督を務め、4位の高橋由伸(打率.323)は、2016~18年に読売で采配を振った。

 また、2000年の新庄は、「チーム三冠王」に加え、15盗塁も阪神では最も多かった。チーム最多のシーズン盗塁は、辻、立浪、井口も記録している。2001年と2003年の井口は、どちらもリーグ最多の44盗塁と42盗塁だ。

 一方、投手だった現監督4人のなかには、勝利、防御率、奪三振の「チーム三冠王」が2人いる。広島東洋カープの佐々岡真司監督と、横浜DeNAの三浦大輔監督がそうだ。もっとも、1999年の広島東洋は、規定投球回に達した投手が佐々岡(190.0イニング)しかおらず、他は110イニングに届かなかった。三浦も、5度の「チーム三冠王」のうち、2008年と2009年はチームで唯一人の規定投球回以上だった。

筆者作成
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 佐々岡と三浦に、東北楽天ゴールデンイーグルスの石井一久監督は、リーグ二冠が1度ずつ。1991年の佐々岡は、奪三振も213と多く、チームメイトの川口和久(奪三振230)に次ぐリーグ2位に位置した。2005年の三浦は、白星がリーグ最多勝より3勝少なく、奪三振王のタイトルはチームメイトの門倉健と分け合った。2000年の石井も、白星はリーグ最多勝と4勝差だった。

 リリーフとしても投げた佐々岡は、チーム最多のシーズン・セーブも何度か記録している。東京ヤクルト・スワローズの高津臣吾監督は、リーグ最多セーブのシーズンが4度あった。

 今シーズン、各チームでトップの打率、本塁打、打点を記録した選手については、こちらで書いた。

「今年の「チーム三冠王」は3人。広島東洋の鈴木誠也と福岡ソフトバンクの柳田悠岐と…。各球団の部門別1位」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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