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妻の出産に立ち会うため、あと1勝でワールドシリーズ優勝のチームを離れる。勝敗に影響は…

宇根夏樹ベースボール・ライター
エイレイ・アドリアンザ(アトランタ・ブレーブス)Oct 23, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 アトランタ・ブレーブスは、1995年以来のワールドシリーズ優勝にリーチをかけている。だが、ブレーブスの選手の一人、エイレイ・アドリアンザは、第6戦の前にチームを離れた。妻の出産に立ち会うためだ。状況は異なるが、34年前には、シーズン50本塁打まで1本に迫っていたマーク・マグワイアが、最終戦を欠場し、妻の出産に立ち会っている。この時に生まれたのは、マグワイアにとって最初の子供だった。アドリアンザと妻の間には、娘が1人いる。

 アドリアンザは、内外野を守るユーティリティ・プレーヤーだ。このポストシーズンは守備についておらず、すべて代打として10試合に出場。10打数1安打ながら、リーグ・チャンピオンシップ・シリーズの第6戦に打った二塁打は、リーグ優勝につながった。場面は、1対1で迎えた4回裏、2死一塁。アドリアンザの二塁打で二、三塁となった直後に、エディ・ロザリオがホームランを打った。ブレーブスは4対2で勝利を収め、前年のワールドチャンピオン、ロサンゼルス・ドジャースを退けた。

 アドリアンザに代わり、ロースターにはジョーダンヨハン・カマーゴが加わった。こちらも、内野だけでなく、必要とあれば外野も守る。今年のポストシーズンは、リーグ・チャンピオンシップ・シリーズの4試合に代打として出場し、4打数0安打に終わっている。

 もっとも、第6戦(とあれば第7戦)が行われるのは、ヒューストン・アストロズのホームだ。DH制が採用されるので、投手に打順が回ってくることはない。代打要員がいなくても、基本的には影響はないだろう。

 アドリアンザが入った「父親リスト」の場合、ロースターから外れても、戻ってくることができる。出産がいつになるか次第だろうが、第7戦があれば、アドリアンザが復帰する可能性もゼロではない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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