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新庄剛志はどの監督の下でプレーしてきたのか。今年のワールドシリーズで指揮を執る監督もその一人

宇根夏樹ベースボール・ライター
新庄剛志(左)とダスティ・ベイカー(中央)October 19, 2002(写真:ロイター/アフロ)

 新庄剛志が、北海道日本ハム・ファイターズの監督に就任した。これまでに監督・コーチの経験はなく、選手としては、1991年から2006年まで、日本プロ野球(一軍)とメジャーリーグでプレーした。1991~2000年が阪神タイガース、2001年と2003年がニューヨーク・メッツ、2002年がサンフランシスコ・ジャイアンツ、2004~06年は北海道日本ハムだ。この16年間に新庄を起用した監督は、代行を除き、8人を数える。

筆者作成
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 彼らのうち5人は、監督として、日本シリーズあるいはワールドシリーズ進出を果たしている。吉田義男は、1985年に阪神が日本シリーズで優勝した時の監督だ。野村克也は、1999~2001年の阪神時代こそ3年続けて最下位ながら、選手兼任の1973年に南海ホークス、1992~93年と1995年、1997年にヤクルト・スワローズでリーグ優勝。1993年以降の3度は、日本シリーズも制した。また、2009年には、前年まで勝ち越したことのなかった東北楽天ゴールデンイーグルスを初のクライマックス・シリーズへ導いた。この年は、東北楽天の監督として4年目。他球団を含め、これが最後の采配となった。

 ボビー・バレンタインは、2000年にニューヨーク・メッツでリーグを制し、2005年に千葉ロッテ・マリーンズで日本シリーズ優勝を飾った。ワールドシリーズと日本シリーズの両方で指揮を執った監督は、他にはいない。トレイ・ヒルマンは、2006年に北海道日本ハムでSHINJOとともに日本シリーズ優勝を味わい、翌年はリーグ連覇を果たしたが、2008~10年のカンザスシティ・ロイヤルズ時代はポストシーズン進出もなし。最初の2年は地区4位と4位タイに終わり、3年目のシーズン序盤に解任された。ただ、2017~18年にSKワイバーンズで監督を務め、2018年は韓国シリーズを制している。今シーズンは、マイアミ・マーリンズで三塁コーチを務めた。すでに退任が決まっていて、今後の動向はまだわからない。

 ダスティ・ベイカーは、新庄が日本人選手では初めてワールドシリーズに出場した時、ラインナップ・カードにその名前を記した。ちなみに、この年は、アナハイム・エンジェルス(現ロサンゼルス・エンジェルス)が球団初のワールドチャンピオンになった。現在、ベイカーは、ヒューストン・アストロズの監督として、ワールドシリーズで指揮を執っている。その監督歴については「この監督は名将なのか。5チームの監督としてポストシーズン進出は歴代最多だが…」で書いた。ナ・リーグとア・リーグのどちらでもリーグ優勝の監督は、現エンジェルス監督のジョー・マッドンに続く、史上9人目だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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