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5年続けて「ワールドシリーズ直前のシリーズ」進出は、史上何番目のストリーク!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
ヒューストン・アストロズ Oct 12, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 2017年以降、ア・リーグの優勝チームを決めるシリーズは、ヒューストン・アストロズと東地区のチーム、というマッチアップが続いている。今年もそうだ。10月15日から、アストロズとボストン・レッドソックスが対戦する。

 これまで、5年以上続けてリーグ・チャンピオンシップ・シリーズへ進んだチームは、オークランド・アスレティックス(1971~75年)とアトランタ・ブレーブス(1991~93年、1995~99年)しかなかった。ブレーブスの場合、ストライキによってポストシーズンが開催されなかった1994年を挟んでいる。

 3地区制が始まった1994年以降に限ると、1995~99年のブレーブスに続き、アストロズが2チーム目ということになる。

筆者作成
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 アストロズは、2017年から翌年にかけて、相手チームのサインを盗んでいた。また、昨年は、ポストシーズン進出枠が拡大した恩恵を受けた。短縮シーズンだったために単純な比較はできないが、29勝31敗のアストロズは、1リーグにつき、各地区の1位と2位にワイルドカード2チームの計8チームではなく、例年の各地区1位とワイルドカード2チームの計5チームであれば、ポストシーズンへ進めなかった。

 とはいえ、今年の地区優勝とリーグ・チャンピオンシップ・シリーズ進出は、サイン盗みと進出枠のどちらも無関係だ。現在でも、アストロズはヒールの看板を背負わされることがあり――数日前に「メジャーリーグが「鬼滅の刃」に!? 柱の「10人」は誰なのか」で紹介したイラストも、その一例だろう――ディビジョン・シリーズで対戦したシカゴ・ホワイトソックスのリリーフ投手、ライアン・タペーラは、第3戦の試合後にサイン盗みが行われていること示唆するような発言をしたが、今もそうしているとは考えにくい。

 なお、アストロズとレッドソックスがポストシーズンで対戦するのは、今回が3度目だ。2017年のディビジョン・シリーズはアストロズが3勝1敗(○○●○)、2018年のリーグ・チャンピオンシップ・シリーズはレッドソックスが4勝1敗(●○○○○)で勝ち上がった。この2シリーズとも、勝ったチームにいたのが、現レッドソックス監督のアレックス・コーラだ。2017年はアストロズのベンチ・コーチ、2018年はレッドソックスの監督として、ワールドシリーズ優勝を味わった。

 また、この両年とも、ワールドシリーズの敗者は、ロサンゼルス・ドジャースだった。今年のポストシーズンには、ドジャースも残っている。ディビジョン・シリーズでサンフランシスコ・ジャイアンツに王手をかけられたが、10月12日に行われた第4戦に勝ち、シリーズを2勝2敗とした。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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