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澤村拓一がワイルドカード・ゲームのロースターから外れたのはなぜ!? 考えられる理由は…

宇根夏樹ベースボール・ライター
澤村拓一(ボストン・レッドソックス)Aug 20, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 澤村拓一(ボストン・レッドソックス)は、ワイルドカード・ゲームのロースターに入らなかった。

 ロースターから外れたのは、澤村だけではない。クリス・セールJ.D.マルティネスダーウィンゾン・ヘルナンデスもそうだ。

 彼らのうち、セールは10月3日のシーズン最終戦に登板し、3回途中に降板するまでに62球を投げた。そこから、中1日で投げるのは無理ということだろう。昨年3月にトミー・ジョン手術を受け、先月半ばに復帰したばかりだ。J.D.は10月3日に右足首を痛め、試合途中に交代した。

 リリーフ投手の2人、澤村とヘルナンデスの場合、はっきりとした理由はわからない。

 セールと同じく、澤村も10月3日に登板したが、投球数は15に過ぎず、連投や中1日の登板は何度も経験している。10月3日は、3回裏に1死満塁の場面でセールからマウンドを引き継ぐと、最初の打者を併殺打に仕留め、次の回も無失点で終えた。ヘルナンデスが最後に投げたのは、10月1日だ。こちらも15球だった。

 今シーズン、澤村は55試合に登板し、53.0イニングで防御率3.05を記録した。ヘルナンデスは48登板の40.0イニングで、防御率3.38だ。

 ただ、後半戦に限ると、澤村は20登板の16.1イニングで防御率4.41、ヘルナンデスは12登板の10.0イニングで防御率5.40となる。サンプル数は少なくないが、もしかすると、ロースターから外れた理由は、このあたりにあるのかもしれない。2人とも、与四球は多めだ。

 ちなみに、ワイルドカード・ゲームの相手であるニューヨーク・ヤンキースに対し、澤村は7登板の6.2イニングで防御率2.70ながら、7月17日は、ゲリー・サンチェスグレイバー・トーレスに続けてホームランを打たれた。ヘルナンデスは6登板の3.2イニングで防御率14.73。こちらも、被本塁打は2本だ。7月18日は、ルーグネッド・オドーアに喫したホームランを含め、対戦した4人とも出塁させ、1アウトも取れずに降板した。9月25日は、最初の打者にぶつけた直後、ジャンカルロ・スタントンに逆転グランドスラムを打たれた。

 レッドソックスもヤンキースも、ロースターの内訳は、投手12人と野手14人だ。レッドソックスの投手陣には、腰を痛めて9月26日から欠場していたジョシュ・テイラーが加わった。

 ワイルドカード・ゲームに勝ち、ディビジョン・シリーズへ進めば、ロースターは新たにセットできる。シリーズごとに入れ替えが可能だ。これを書いている時点で、ワイルドカード・ゲームは4回表が終わったところ。ここまでは、レッドソックスが3対0とリードしている。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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