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マリナーズは今年もポストシーズンへ進めず。「20年連続ポストシーズン進出なし」は史上何番目の長さ!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
カイル・シーガー(シアトル・マリナーズ)Oct 3, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今年もまた、シアトル・マリナーズは、ポストシーズンへ進めなかった。

 161試合を終えた時点では、ワイルドカードの可能性が残っていた。10月3日の162試合目に、ニューヨーク・ヤンキースボストン・レッドソックスの両方あるいは一方が負け、マリナーズとトロント・ブルージェイズの両方もしくは一方が勝てば、91勝で並んでいた。けれども、ヤンキースとレッドソックスはともに勝利を収め、ワイルドカードを手にした。マリナーズは敗れ、ブルージェイズは勝ったものの、ポストシーズンにはたどり着けなかった。

 マリナーズがポストシーズンに進出したのは、2001年が最後だ。その翌年から、20年連続ポストシーズン進出なし。この「空白」は、継続中のどのチームよりも長い。それについては、「マリナーズが「ポストシーズンから最も遠ざかるチーム」の称号を返上した場合、受け継ぐのはどのチーム?」で書いた。

 過去には、さらに長い「空白」を経験したチームもある。数えたところ、連続20年以上のポストシーズン進出なしは、延べ23チームが記録している。マリナーズは、24チーム目となる。

筆者作成
筆者作成

 これは、ワールドシリーズが始まった1903年以降における、ポストシーズン進出からその次のポストシーズン進出までの「空白」だ。初のポストシーズン進出までに20年以上かかったケースは、含めていない。ストライキによってポストシーズンが開催されなかった1994年も、「空白」の1年として数えた。

 なかには、30年以上もポストシーズンから遠ざかったチームも、いくつかある。フィラデルフィア・フィリーズは、1950年のリーグ優勝を挟み、前後のどちらにも長い「空白」が存在した。1916~49年と1951~75年だ。シカゴ・ホワイトソックスとボストン・レッドソックスも同様。また、オークランド・アスレティックスは、「空白」が続いている間に2度移転した。1954年まではフィラデルフィア・アスレティックスで、1955年から1967年まではカンザスシティ・アスレティックスだった。

 ただ、ポストシーズン進出チームにワイルドカードが加わった1995年以降に限ると、マリナーズの「空白」は、1995~2014年のブルージェイズと並び、最も長い。

 ちなみに、30チーム中、一度もワールドシリーズへ進出したことがないのは、マリナーズだけだ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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