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NPBで「6試合連続本塁打」を記録後にMLBでプレーした選手は2人、MLBで記録後にNPBも2人

宇根夏樹ベースボール・ライター
マーク・テシェーラ(左)とケビン・メンチ May 16, 2005(写真:ロイター/アフロ)

 鈴木誠也(広島東洋カープ)は、9月3日から9日にかけて、6試合続けてホームランを打っている。6試合連続本塁打は、そこからストリークを伸ばして7試合連続とした2人、1972年の王貞治と1986年のランディ・バースを含め、鈴木が日本プロ野球(NPB)16人目だ。

 鈴木の前にこのストリークを記録した15人中7人は、メジャーリーグ(MLB)でもプレーした。5人はMLB→NPB、2人はMLB→NPB→MLBだ。1987年に広島東洋で6試合連続本塁打のリック・ランセロッティ(登録名はランス)は、1982年と1986年にMLB、1987~88年にNPB、1990年にMLBでプレーした。1995年に近鉄バファローズで6試合連続本塁打のリー・スチーブンスは、1990~92年にMLB、1994~95年にNPB、1996~2002年にMLBだ。

 一方、MLBで6試合以上の連続本塁打を記録した選手は、延べ34人を数える。8試合連続が3人、7試合連続が5人、6試合連続は26人だ。ウィリー・メイズは1955年と1965年に6試合連続、バリー・ボンズは2001年に6試合連続が2度と2004年に7試合連続。2015年に6試合連続のダニエル・マーフィーは、レギュラーシーズンではなく、ポストシーズンに記録した。今シーズンは、ジョーイ・ボトー(シンシナティ・レッズ)が、7月24日~30日に7試合続けてホームランを打った。

 彼らのうち、1968年に6試合連続のフランク・ハワードと2006年に7試合連続のケビン・メンチは、NPBでもプレーした。どちらも、MLB→NPBだ。

 ハワードは1974年に太平洋クラブ・ライオンズで出場1試合、メンチは2009年に阪神タイガースで出場15試合。2人とも、ホームランは打たなかった。

 また、MLB→NPB→MLBの2人のうち、ランセロッティは1986年にサンフランシスコ・ジャイアンツで2本塁打――2試合連続。2本とも代打――を記録しているものの、NPBで6試合連続本塁打の後、MLBでプレーした1990年は、ボストン・レッドソックスで8打数0安打(犠牲フライ1本)に終わった。

 スチーブンスはランセロッティと違い、MLBへ戻ってからの7シーズンに、テキサス・レンジャーズやモントリオール・エクスポズなどで計130本のホームランを打った。NPBでプレーする前の3シーズンは、カリフォルニア・エンジェルスで計14本。近鉄で過ごした2シーズンは、計43本だった。NPBでもMLBでも30本以上のシーズンはなかったが、NPBでは2シーズンとも20本以上。MLBでは1997年から2001年まで、5シーズン続けて20本以上を記録した。

 なお、メンチの7試合連続本塁打は、右打者のMLB最長。8試合連続の3人は、いずれも左打者。メンチ以外の7試合連続は、左打者3人とスイッチ・ヒッター1人だ。鈴木が継続している6試合連続も、右打者ではNPBで最も長く、現時点では他の8人、1973年の大杉勝男、1978年の土井正博、1985年のリチャード・デービス(ディック・デービス)、1987年の石嶺和彦、2003年のアレックス・カブレラ、2005年の新井貴浩、2017年のアレックス・ゲレーロ、2018年の中村剛也(埼玉西武ライオンズ)と並んでいる。

 鈴木の前にNPBで6試合以上の連続本塁打を記録した15人については、昨年10月にこちらで書いた。

「佐野恵太が迫る「6試合連続本塁打」を記録した選手は、その年に本塁打を量産したのか」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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