「不正投球」の取り締まりは、どこまでチェックする!? ベルトを外してユニフォームのパンツを下ろし…
ボールに異物を付着させる「不正投球」に対する取り締まりが、6月21日から始まった。
6月22日に登板したマックス・シャーザー(ワシントン・ナショナルズ)は、1回裏と3回裏の終了時に、審判のチェックを受けた。さらに、4回裏の途中にも……。これは、フィラデルフィア・フィリーズのジョー・ジラルディ監督が審判にチェックを要請したものだ。シャーザーは憮然とした表情でグラブとキャップを下へ落とし、ベルトのバックルを外して両手を広げた。
同じ日、違う球場で7回裏に登板したセルジオ・ロモ(オークランド・アスレティックス)は、そのイニングを終わらせると、こちらはグラブとキャップに続き、ベルトをユニフォームのパンツから抜いて投げ捨て、パンツを途中まで下ろした。
審判が下半身までチェックしたわけではないが、シャーザーとロモは、どちらも異物は所持していないと認められた。今のところ、異物が見つかり、出場停止を科された選手はいない。
もちろん、シャーザーもロモも、パンツの中がチェックの対象でないことはわかっているはずだ(一番上の写真からわかるように、ベルトとバックルはチェックの対象だ)。そもそも、パンツの中に異物を仕込んでいた場合、ボールに付着させるにはそこに手を突っ込む必要があるので、その時点で疑いを招き、バレてしまうだろう。これは、チェックそのものに向けられた――シャーザーの場合はジラルディ監督に向けた――抗議に他ならない。
なお、シャーザーは5イニングを投げて8三振を奪い、失点は2回裏に打たれたホームランによる1点にとどめた。ロモもホームランを喫して1点を取られたが、5点リードから4点リードになっただけ。試合の趨勢に影響はなく、チェックを受けた次のイニングは、マウンドに上がらなかった。