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大谷翔平の「6試合で6本塁打」は日本人選手の最多だが、アジア出身選手にはさらに上がいて…

宇根夏樹ベースボール・ライター
ジェイク・ロジャース(左)と大谷翔平 Jun 20, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)は、ここ6試合で6本のホームランを打っている。6月15日と16日にそれぞれ1本を記録し、登板した17日は0本(1打数0安打、2四球)ながら、18日に2本、19日に1本、20日も1本だ。

 6試合で6本塁打は、見落としがなければ、日本人メジャーリーガーでは初めて。調べたところ、これまで、6試合のスパンにおける最多のホームランは、松井秀喜城島健司の5本だった。松井は2004年9月24日~30日の6試合中5試合で、ホームランを1本ずつ打った。城島は2006年6月21日~27日に5試合で5本。1試合目に1本、4試合目と5試合目に2本ずつだ。前後の各1試合、6月20日と28日のいずれも2安打ながらホームランはなく、どちらかを含めた6試合のスパンでも5本となる。

 もっとも、日本人選手に限らず、アジア出身のメジャーリーガーに範囲を広げると、さらに上がいる。韓国人選手のイーソプ・チェ(あるいはイーソプ・チョイ)が、2005年6月10日~14試合日の4試合で7本のホームランを打っている。各試合の本数は、2本、1本、3本、1本だ。この4試合の前後は、どちらもホームランなしが20試合以上続くので、6試合のスパンでも4試合と同じ7本塁打だが、それでも、大谷の6試合で6本塁打より1本多い。

 4試合続けてホームランを打ったアジア出身の選手も、チェの他には見当たらなかった。4試合で7本塁打の前年にも、4月26日~30日に4試合連続ホームランを記録している。こちらは、1試合1本だ。

 チェは、2002~05年に通算40本塁打。シーズン最多は、2004年と2005年の15本だ。オールスター・ゲーム選出はないが、2005年はホームラン・ダービーに出場した(ファースト・ラウンド敗退)。この年は、翌年開催の第1回WBCに合わせ、それぞれの選手が各国の代表として競い合った。

イーソプ・チェ May 15, 2005
イーソプ・チェ May 15, 2005写真:ロイター/アフロ

 大谷は、次の試合もホームランを打つと、4試合連続となり、チェのストリークに並ぶ。大谷の3試合連続ホームランは、今回が4度目。最初の2度がどう止まったかについては、先月の16日~18日に3度目を記録した際、「日本人選手の「3試合連続本塁打」は松井秀喜が2度、大谷翔平は3度目。過去4度の「4試合目」は…」で書いた。先月の19日は、「2番・投手」として出場し、最初の2打席とも討ち取られた後、マウンドからライトへ移り、3打席目はバント・ヒットを記録した。

 エンジェルスは6月21日の試合がなく、22日から、ホームにサンフランシスコ・ジャイアンツを迎えて2試合を行う。大谷は、22日の試合に「2番・DH」として出場する可能性が高い。ジャイアンツの先発投手は、アンソニー・デスクラファーニだろう。大谷とデスクラファーニは、初顔合わせとなる。

 今シーズン、デスクラファーニは14先発で防御率3.01と好調だ。直近の2登板は、ホームランを打たれていない。ただ、被本塁打8本中7本は、左打者に喫している。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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