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石川雅規の「20年連続勝利」はNPB史上12人目。MLBでは何人が達成? 日米合わせて20年連続は?

宇根夏樹ベースボール・ライター
黒田博樹(右) MARCH 2, 2008(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

 6月4日、石川雅規(東京ヤクルト・スワローズ)がシーズン初勝利を挙げ、史上12人目の20年連続勝利を達成した。このストリークの最長は23年。工藤公康山本昌広/昌三浦大輔の3人が記録している。

筆者作成
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 メジャーリーグで20年以上続けて白星を挙げた投手を調べたところ、27人が見つかった。こちらの最長は、ノーラン・ライアンの26年だ。

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 そのうちの16人は、メジャーリーグ1年目から最終年まで、どのシーズンも白星が途切れなかった。全体に占める割合は、59.3%(16/27)だ。例えば、ライアンはここには含まれない。メジャーデビューした1966年は、2登板(救援1試合、先発1試合)で0勝1敗。翌年はメジャーリーグの登板がなかった。1968年にストリークをスタートさせ、最終年の1993年まで継続した。

 日本プロ野球の場合、継続中の石川を除く11人中、一軍初登板の年から最終年まで、白星を挙げ続けた投手は6人。こちらの割合は54.5%(6/11)だ。そこに、石川が加わると58.3%(7/12)。メジャーリーグとほぼ同じ割合となる。石川は一軍デビューの2002年に12勝を挙げているので、そうなる可能性はある。

 また、日本プロ野球には、キャリアを通して同じ球団で投げた投手が5人いる。ここまではヤクルト/東京ヤクルト一筋の石川を含めると、6人だ。それに対し、メジャーリーグで1球団は、ウォルター・ジョンソンレッド・フェイバーテッド・ライオンズの3人だけ。1945年以降にストリークをスタートさせた投手に限れば、誰もいない。日本プロ野球は工藤の4球団が最も多いが、メジャーリーグでは16人が5球団以上だ。

 なお、日本プロ野球とメジャーリーグの両方で投げた日本人投手では、2人が20年連続勝利を記録している。石井一久は、一軍1年目と最終年を除く20年連続(1993~2012年)。1993~2001年がヤクルト、2002~04年がロサンゼルス・ドジャース、2005年がニューヨーク・メッツ、2006~07年が東京ヤクルト、2008~12年は埼玉西武ライオンズだ。黒田博樹は、一軍1年目から最終年までの20年連続(1997~2016年)。1997~2007年が広島東洋カープ、2008~11年がドジャース、2012~14年がニューヨーク・ヤンキース、2015~16年は広島東洋だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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