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10号一番乗りの打者は、本塁打王を獲得しているのか。今年のセは村上宗隆、パはレオネス・マーティン

宇根夏樹ベースボール・ライター
レオネス・マーティン Apr 14, 2019(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 4月29日、レオネス・マーティン(千葉ロッテマリーンズ)が、シーズン10本目のホームランを打った。パ・リーグの10号一番乗りだ。この日は、妻の誕生日だった。一方、セ・リーグの一番乗りは、村上宗隆(東京ヤクルトスワローズ)。マーティンの2日前に2本塁打を記録し、10号に到達した。

 過去20シーズン(2001~20年)のリーグ10号一番乗り(到達日)は、以下のとおり。複数の選手が同じ日に到達したシーズンは、タイとした。

筆者作成
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 10号一番乗りのシーズンに本塁打王を獲得した選手は、セ・リーグが21人中6人、パ・リーグは22人中7人だ。両リーグとも3分の1以下にとどまる。ただ、シーズン30本塁打以上は14人と16人なので、どちらも3分の2以上を占める。20本塁打未満は皆無だ。ちなみに、最少は2006年の濱中治だが、20本塁打は自己最多。2002年の18本塁打を上回り、2007年以降はシーズン二桁に届かなかった。

 また、本塁打王を獲得した選手と本塁打王と3本差以内の選手を合計すると、セ・リーグは8人(6人+2人)、パ・リーグは12人(7人+5人)となる。セ・リーグはそれでも40%未満だが、パ・リーグは半数を超える。

 今シーズンの場合、来日が遅れた選手もいるため、どうなるかを予想するのは難しい。例えば、横浜DeNAベイスターズのネフタリ・ソトタイラー・オースティンは、4月13日がシーズン初出場となった。ソトは、2018年と2019年の本塁打王だ。オースティンは、昨シーズン、11.9打数に1本のペースでホームランを打った。このペースは、二桁本塁打を記録した両リーグ計43人のなかで最も速かった。それについては、昨年11月に「来シーズンは本塁打王!? 横浜DeNAのオースティンが記録した「量産ペース」は両リーグ1位」で書いた。

 とはいえ、村上もマーティンも、本塁打王を獲得してもおかしくない選手だ。村上のシーズン11本目はまだ出ておらず、4月28日にチームメイトの山田哲人に並ばれたものの、過去2シーズンともリーグ・トップ3にランクインしたのは、セ・リーグでは村上だけだ。2019年の36本塁打はトップと7本差の3位、2020年の28本塁打は3本差の2位タイだった。マーティンのシーズン本塁打は、メジャーリーグとマイナーリーグを含めても、2020年の25本が最多ながら、現時点では2位に5本差をつけている。

 村上が本塁打王を獲得すれば、東京ヤクルトでは、2015年に38本塁打の山田以来となる。千葉ロッテからの本塁打王は途絶えて久しく、ロッテ・オリオンズ時代の1986年に50本塁打の落合博満――前年に続く三冠王――が最後だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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