23歳の内野手が「ベースボールIQ」の高いプレーを披露。将来像はやっぱりあの選手!?
4月25日、8回表、無死一塁の場面だ。アビサイル・ガルシア(ミルウォーキー・ブルワーズ)の打球は、二塁フライになるかと思われた。だが、二塁手のニコ・ホーナー(シカゴ・カブス)は、その打球をダイレクトに捕球しなかった。手前でバウンドしたところを捕り、一塁へ送球した。
ゆっくりと一塁へ向かっていた打者よりも早く、ボールは一塁手のグラブへ。打球がフィールドに落ちたのを見て、一塁走者は二塁へ走り出したが、塁間に挟まれ、最後はホーナーにタッチされた。この併殺により、2死走者なし。二塁フライにしていれば、1死一塁だったはずだ。
併殺を「作り出した」ホーナーは、今シーズンがメジャーリーグ3年目。2018年のドラフトで、カブスから全体24位指名を受け、スタンフォード大からプロ入りした。本来はミドル・インフィルダーだが、遊撃と二塁に加え、三塁と外野も守る。この試合でも、9回表に二塁からセンターへ移った。
ホーナーと同じようなプレーを、イアン・キンズラーもしたことがある。こちらは併殺にはならなかったものの、一塁走者の「入れ替え」に成功した。その詳細は、当時、「これぞ頭脳プレー。平凡なフライをわざと捕らなかったのは、かつて古巣のシーズン全敗を願ったあの二塁手」で書いたとおりだ。
キンズラーは、2006年から2019年まで、メジャーリーグの5チームでプレーした。2000安打には1本届かなかったものの、257本塁打と243盗塁を記録し、416本の二塁打も打った。2009年と2011年は30-30を達成し、2016年と2018年はゴールドグラブを受賞した。
MLBパイプライン(MLB.com)は、2019年のプロスペクト・ウォッチで、ホーナーについて、こう記している。「遊撃よりも二塁が適任かもしれず、イアン・キンズラーと比較されている」
ホーナーはまだレギュラーではないが、現在の年齢は23歳。キンズラーがメジャーデビューした当時と同じだ。