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セ・リーグの開幕投手6人中、今年の開幕戦で対戦する相手に強いのは…

宇根夏樹ベースボール・ライター
2021年のシーズン開幕は3月26日 February 24, 2016(写真:長田洋平/アフロ)

 3月20日、横浜DeNAベイスターズの三浦大輔監督が、開幕戦に濵口遥大を起用することを発表し、セ・リーグの開幕投手6人が出揃った。それぞれの試合で登板するのは、菅野智之(読売ジャイアンツ)と濵口、小川泰弘(東京ヤクルトスワローズ)と藤浪晋太郎(阪神タイガース)、大瀬良大地(広島東洋カープ)と福谷浩司(中日ドラゴンズ)だ。菅野は4年連続7度目、小川は2年ぶり5度目、大瀬良は3年連続3度目。他の3人は初なので、3試合とも、過去に開幕投手を経験している投手と経験していない投手の投げ合いとなる。

 2019年に先発へ転向した福谷は、今年の開幕戦の相手である広島東洋に対し、先発登板した試合で2点以上を与えたことがない。シーズン全体で1登板しかできなかった2019年は、5月6日に6イニングを投げて1失点。2020年の3登板は、7月28日が6イニングを無失点、8月11日が5.2イニングで1失点、9月3日は7.2イニングを無失点だ。4登板の計25.1イニングで自責点2なので、防御率は0.71となる。昨シーズンの3試合に限ると、防御率0.47。中日はこの3試合とも勝利を収め、福谷は直近の2試合で白星を挙げている。

 開幕戦で福谷と投げ合う大瀬良も、過去2年の対中日は、先発7登板とリリーフ1登板――引退登板の永川勝浩に続いて投げた――の計63.1イニングで防御率1.42だ。こちらは、5.2イニングで4失点の2019年8月23日を除くと、あとの7登板はいずれも6.2イニング以上を投げて2失点以内。1完封を含む4完投を記録している。

 一方、今年の開幕戦の相手に、直近の対戦でKOされたのが小川だ。昨年10月18日、阪神甲子園球場のマウンドに上がった小川は、1回裏1死から3連打で2点を取られ、さらにホームランも打たれて計4失点。2回裏は最初の2人を空振り三振に仕留めたが、そこからヒットを2本続けられ、マウンドを降りた。2019年9月11日にも、5回裏にホームラン2本を含む4安打を打たれ、こちらも4点を取られている(4回裏の2失点と合わせ、5イニングで6失点)。ただ、2019年の4登板で防御率2.86を記録していることからもわかるとおり、小川は必ずしも阪神を苦手としているわけでない。また、2年続けて1イニング4失点の登板とは違い、今年の開幕戦はホームで投げる。

筆者作成
筆者作成

 なお、パ・リーグの開幕投手については、こちらで書いた。

パ6球団の「開幕投手」と対戦相手との「相性」。二木は福岡SBに7連勝中、山本は埼玉西武に防御率0点台

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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