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マリナーズのエースが「連続記録の延長」に貢献!? ストリークを続けているのは別のチームだが…

宇根夏樹ベースボール・ライター
マルコ・ゴンザレス(シアトル・マリナーズ)Sep 21, 2020(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 2月21日、シアトル・マリナーズのスコット・サービス監督は、どのチームよりも早く、今シーズンの開幕投手を発表した。過去2年と同じく、マルコ・ゴンザレスが開幕戦の先発マウンドに上がる。

 これにより、開幕戦でマリナーズと対戦するサンフランシスコ・ジャイアンツは、2008年に始まったストリークを伸ばし、14年連続とする可能性が高まった。今シーズンの開幕戦は、4月1日だ。すべてのチームが、開始時間こそ違うものの、同じ日に揃って開幕を迎える。

 ジャイアンツでは、2008年以降に行った開幕戦13試合のいずれも、違う選手がレフトの先発メンバーとして出場している(その前は、2006~07年が2年続けてバリー・ボンズ。2007年のボンズから数えれば、14年続けて違う選手だ)。間をおいて同じ選手が2度、あるいは3度以上もない。

 ちなみに、2008年は現ロサンゼルス・ドジャース監督のデーブ・ロバーツ、2015年は現東京ヤクルトスワローズの青木宣親が、開幕戦でレフトを守った。過去3年(2018~20年)は、ハンター・ペンスコナー・ジョー(現コロラド・ロッキーズ)、アレックス・ディッカーソン(下の写真は、昨シーズンの開幕戦)だ。その前については、3年前に「最も入れ替わりの激しいポジション。ジャイアンツの開幕レフトは過去11年とも異なる選手」で書いた。

アレックス・ディッカーソン(サンフランシスコ・ジャイアンツ)Jul 23, 2020
アレックス・ディッカーソン(サンフランシスコ・ジャイアンツ)Jul 23, 2020写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 直近のディッカーソンは、現在もジャイアンツにいる。昨シーズンは、主にレフトを守って52試合に出場し、ホームランと二塁打を10本ずつ打ち、打率.298、出塁率.371、OPS.947を記録した。この成績からすれば、今シーズンの開幕戦でレフトを守っても、まったくおかしくない。今オフにジャイアンツへ加わり、ディッカーソンを押しのけそうな外野手は見当たらない。

 ただ、ゴンザレスは左投手、ディッカーソンは左打者だ。昨シーズン、ジャイアンツが左の先発投手と対戦した24試合中、ディッカーソンの先発出場は2試合しかなかった。ゲーブ・キャプラー監督は、開幕戦のレフトに、右打者のオースティン・スレイターダリン・ラフを起用しそうだ。

 なお、ゴンザレスの開幕投手に、疑問の余地はない。2019年の203.0イニングと2020年の69.2イニングは、どちらもチーム・トップ。2位の1.25倍以上だ。防御率3.99と3.10も、先発投手陣のベストだった。

 現在、マリナーズはどのチームよりも長く、ポストシーズンから遠ざかっている。最後の進出は、イチローがメジャーデビューした2001年だ。けれども、ゴンザレスは、こちらのストリークには加担していない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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