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阪神のマルテと元チームメイトは「タイガースでユニフォームを忘れてコーチに借りた」ことが共通する

宇根夏樹ベースボール・ライター
ラジェイ・デービス Apr 14, 2015(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 2月14日の日刊スポーツに「阪神マルテ一塁シート」と題した記事が載っていた。それによると、ホテルにユニフォームを忘れてきたジェフリー・マルテ(阪神タイガース)が、井上一樹ヘッドコーチのユニフォームを借りて練習に臨んだという。

 マルテは、2015年にデトロイト・タイガースでプレーしている。こちらでも同じことをしていれば、「日米のタイガースで……」になると思って調べてみたが、そういう事実は見つからなかった。ただ、2015年のタイガースのスプリング・トレーニングで、今回とよく似たことが起きていた。

 タイガースのエキシビション・ゲーム(日本で言うオープン戦)が2ヵ所で行われた日、タイガースがホームとしているタンパの球場ではなく、レイクランドの球場でプレーすることになったラジェイ・デービスは、持っていく荷物にユニフォームを入れ忘れた。そして、ベンチ・コーチのジーン・ラモントのユニフォームを借り、試合に出場した。

 タンパからレイクランドまでは、車で1時間かからない。クラブハウス・マネージャーがユニフォームを届け、デービスは2打席目を迎える前に着替えた。ちなみに、1打席目は外野フライに倒れたが、2打席目は二塁打を打ち、3打席目は四球で出塁した。

 この日、マルテはタンパで行われていた試合に出場した――ホームランを打った――ので、コーチのユニフォームを着たデービスを目撃はしていない。けれども、タイガースにいたのだから、話は伝わっていたと思われる。

 その約4ヵ月後に、マルテはメジャーデビューした。この試合は、マルテもデービスも代打として出場。マルテの空振り三振に続き、ヒットの2人を挟んで、デービスも空振り三振を喫した。

 なお、日米のタイガースでプレーした選手は、見落としがなければ、エフレン・ナバーロ(デトロイト/2017年、阪神/2018~19年)が15人目、マルテは16人目だ。その前の14人については、4年前にこちらで書いた。

阪神とデトロイト、日米のタイガースでプレーした選手たち。マートンもそこに加わることができるか

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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