「二軍の本塁打王」は一軍でもパワーを発揮するのか。昨年の本塁打王は細川成也と砂川リチャード
昨シーズン、二軍の本塁打王は、イースタン・リーグが13本の細川成也(横浜DeNAベイスターズ)、ウエスタン・リーグは12本の砂川リチャード(福岡ソフトバンクホークス)だった。細川は2017年に一軍デビューを果たし、最初の2試合ともホームランを打ったが、一軍定着には至っていない。4シーズンの通算出場は68試合、ホームランは5本だ。リチャードは昨年3月に育成選手から支配下登録選手となったが、一軍でプレーしたことはない。現在の年齢は、22歳と21歳だ。
彼らの前、2005~19年の15シーズンに二軍で本塁打王を獲得した選手は、26人(延べ35人)を数える。
中田翔(北海道日本ハムファイターズ)、岡田貴弘/T-岡田(オリックス・バファローズ)、筒香嘉智(現・タンパベイ・レイズ)、柳田悠岐(福岡ソフトバンク)、山川穂高(埼玉西武ライオンズ)は、一軍でもパワーを発揮している(メジャーリーグへ移った筒香の場合は、発揮した)。5人とも、30本塁打以上のシーズンが複数あり、通算本塁打は150本を上回る。ドーピング検査の陽性反応により、広島東洋カープに契約を解除されたサビエル・バティスタも、2018~19年に2年続けて25本塁打以上を記録した。
また、スラッガーにはなれずとも、高橋周平(中日ドラゴンズ)はレギュラーの座を掴んだ。過去3年とも規定打席に到達し、打率は.254→.293→.305、出塁率も.305→.345→.368。シーズン二桁本塁打はキャリアを通して2018年(11本)のみながら、3年続けて25本以上の二塁打を打っている。打撃だけでなく、三塁に定着した2019年からは、2年続けてゴールデン・グラブを受賞した。
一方、まだこれからという選手もいるものの、なかには、一軍でホームランを打てないまま、引退した選手もいる。森山恵佑の一軍出場は2017年の5試合、猪本健太郎は2014~17年の計16試合。森山は12打席で9三振を喫し、出塁は四球による1度だった。猪本は27打席(25打数)で3安打を記録し、そのうち1本は二塁打だが、ホームランはなかった。
すでに選手としてのキャリアを終えた14人中、一軍で通算30本塁打以上は皆無。11人は15本に届かず、7人は3本以下だった。