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【2021年に達成されそうな記録/打者編】栗山巧は2000安打へ。中村剛也が歴代2位へ浮上するのは…

宇根夏樹ベースボール・ライター
栗山巧(埼玉西武ライオンズ)MARCH 16, 2008(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

 昨シーズンの坂本勇人(読売ジャイアンツ)に続き、今シーズンは栗山巧(埼玉西武ライオンズ)が2000安打に到達しそうだ。2007年以降の14シーズン中、最も少なかった2018年の78安打と同じ本数でも、シーズン終了時の通算安打は2004本となる。栗山は2000安打の前に、出場2000試合も達成するだろう。

 一方、2000安打も2000試合もあと91の福留孝介(中日ドラゴンズ)は、どちらも届かない可能性が高い。2008~12年のメジャーリーグ時代と合計した日米2500安打も、あと93本が必要だ。日米の出場試合は、すでに2500を超えている。1909試合+596試合=2505試合だ。

 300本塁打には、福岡ソフトバンクホークスの2人が迫っている。ウラディミール・バレンティンはあと3本、松田宣浩はあと13本だ。彼らは、昨シーズンに到達してもおかしくなかった。むしろ、昨シーズンに到達するはずだった、と言うべきかもしれない。特に、バレンティンはそうだ。

筆者作成
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 上のリストで10人とした200本塁打以上の現役選手は、日本プロ野球の球団に在籍している人数だ。205本塁打の筒香嘉智(現タンパベイ・レイズ)は含めていない(全体の109人には入っている)。ちなみに、昨シーズン、筒香はメジャーリーグで51試合に出場し、8本のホームランを打った。

 筒香の前チームメイト、昨シーズンまで横浜DeNAベイスターズでプレーしていたホセ・ロペスは、200本塁打まであと2本――日米300本塁打まではあと10本――ながら、現在はどの球団にも在籍していない。

 ロペスは別として、今シーズン、200本塁打に到達できそうな選手は4人いる。内川聖一(東京ヤクルトスワローズ)はあと4本、T-岡田(オリックス・バファローズ)と柳田悠岐(福岡ソフトバンク)はあと14本、ブランドン・レアード(千葉ロッテマリーンズ)はあと31本だ。もっとも、昨シーズンの内川は一軍出場がなく、岡田は過去3年とも20本塁打に届かず、昨シーズンと同水準の場合、到達できるかどうかはぎりぎりだ。レアードは昨年10月に椎間板ヘルニアの手術を受け、100%の状態でシーズンに臨めるのか、懸念される。

 この4人に次いで200本塁打に近い糸井嘉男(阪神タイガース)は、あと2シーズンでも難しいだろう。今シーズン、糸井が到達しそうなのは、300盗塁だ。あと12盗塁として迎えた2019年は9盗塁に終わり、あと3盗塁だった昨シーズンも2盗塁にとどまったが、残すはあと1盗塁だ。ただ、300盗塁の到達順はともかく、シーズンが終わるまでには西川遥輝(北海道日本ハムファイターズ)に抜かれ、現役1位ではなくなっていると思われる。西川は300盗塁まで、あと13としている。

 また、中村剛也(埼玉西武)は、三振の歴代3位から2位へ浮上するはずだ。あと38三振を喫すると、谷繁元信の1838三振に並ぶ。トップの清原和博までは155三振なので、こちらも1シーズンで追いつけない差ではない。中村は2008年と2009年に162三振と154三振、2015年には172三振を記録している。

 なお、こちらは、昨年1月に書いた記事だ。当たりもあるが、外れも少なくなかった。

【今年達成されそうな記録/野手編】坂本勇人は2000安打、バレンティンは300本塁打、福留孝介は…

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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