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4年前にMLBで30本塁打以上の3人がNPBへ。読売のスモークとテームズ、東京ヤクルトのサンタナ

宇根夏樹ベースボール・ライター
ジャスティン・スモーク Jul 5, 2017(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 2021年のセ・リーグには、4年前にメジャーリーグで30本塁打以上を記録した選手が3人揃う。読売ジャイアンツに入団したジャスティン・スモークエリック・テームズ、東京ヤクルトスワローズに入団したドミンゴ・サンタナだ。

 テームズは2014~16年に韓国プロ野球でプレーし、3年続けて35本以上のホームランを打った。だが、メジャーリーグでシーズン30本塁打以上は、31本の2017年だけだ。同じく2017年に38本とスモークと30本のサンタナも、他のシーズンは30本に届いていない。また、3人とも、2020年は5本塁打以下に終わった。

 もっとも、2020年は異例の短縮シーズンだった。いずれもOPS.620未満ながら、サンプル数としては少ない。

 テームズの場合、2017年は15.1打数に1本のペースでホームランを打った。その後の3シーズン(2018~20年)のトータルは17.4打数に1本だ。極端にペースが落ちているわけではなく、2018年(15.4打数/本)と2019年(15.8打数/本)の2シーズンは、2017年とほとんど変わっていない。韓国プロ野球と同じように日本プロ野球にも適応できれば、2019年までのペースを取り戻せるかもしれない。ちなみに、2014年は12.0打数/本(37本)、2015年は10.0打数/本(47本)、2016年は10.9打数/本(40本)だった。

筆者作成
筆者作成

 スモークの2017年は、出来過ぎの感もある。ただ、2018年と2019年も20本以上のホームランを打ち、2017年を上回る四球率を記録した。この3シーズンとも、敬遠四球は3以下。選球眼を発揮している。

 サンタナがホームランを打つペースは、大きくダウンした。2017年の17.5打数/本に対し、2018~20年のトータルは26.1打数/本だ。けれども、テームズとスモークが34歳であるのに対し、サンタナは8月に誕生日を迎えても、まだ20代だ。日本プロ野球で「再ブレイク」すれば、メジャーリーグ復帰の可能性は、3人のなかで最も高い。

ドミンゴ・サンタナ Jul 8, 2017
ドミンゴ・サンタナ Jul 8, 2017写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 スモークとテームズは、2012年にシアトル・マリナーズでチームメイトだったが、夏まではテームズがトロント・ブルージェイズにいたこともあり、アベック・アーチはなかった。一方、テームズとサンタナは、2017~18年にミルウォーキー・ブルワーズでともにプレーし、2試合でアベック・アーチを記録した。

 なお、テームズがリーチをかけている記録については、こちらで書いた。

読売入団のテームズは、日米韓でシーズン30本塁打以上の「トリプル30」にリーチ。達成すれば…

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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