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パ・リーグでは「ここ6年に6球団が最優秀防御率」を輩出。今までにこんなことはあった!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
千賀滉大(写真:アフロスポーツ)

 ここ6シーズンに、パ・リーグで最優秀防御率のタイトルを獲得したのは、いずれも違う球団の投手だ。

 2015年から順に、北海道日本ハムファイターズの大谷翔平(現ロサンゼルス・エンジェルス)、千葉ロッテマリーンズの石川歩、埼玉西武ライオンズの菊池雄星(現シアトル・マリナーズ)、東北楽天ゴールデンイーグルスの岸孝之、オリックス・バファローズの山本由伸ときて、2020年は、福岡ソフトバンクホークスの千賀滉大がこのタイトルを手にした。

 ちなみに、ここ6シーズンのセ・リーグは、2015年が広島東洋カープのクリス・ジョンソン、2016~18年が読売ジャイアンツの菅野智之、2019~20年は中日ドラゴンズの大野雄大。2009年以降、この3球団以外の投手が最優秀防御率を獲得したことはない。

 調べたところ、2015~20年のパ・リーグと同じような「6シーズンで6球団」は、過去に2度、1962~67年のパ・リーグと1980~85年のセ・リーグしかなかった。

筆者作成
筆者作成

 3度目の今回が、これまでの2度と違うのは、3度目のリーチで達成(?)されたことだ。2013~18年も2014~19年も、6シーズン目の最優秀防御率が福岡ソフトバンクの投手であれば、「6シーズンで6球団」となっていた。2013年の最優秀防御率は、東北楽天の田中将大、2014年はオリックスの金子千尋(弌大/現・北海道日本ハム)。2018年も2019年も「福岡ソフトバンク待ち」のリーチだった。

 千賀の最優秀防御率は、福岡ソフトバンクでは2006年の斉藤和巳以来。この2人は、どちらも「投手三冠」だ。

 さらに、今シーズンのパ・リーグは、防御率のトップ6に6球団の投手が並んだ。こちらは「6シーズンで6球団」よりも稀。それについては、こちらに書いた。

パの防御率トップ6は、それぞれ違う6球団の投手。これは何年ぶり何度目の椿事!?

 また、こちらで書いたように、2014~19年の6シーズンは、セ・リーグの首位打者がいずれも違う球団の選手だった。

セ・リーグでは過去6年に全6球団が首位打者を輩出。今までにこんなことはあった!?

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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