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首位打者と打率2位がチームメイト。今シーズンは横浜DeNAの佐野恵太と梶谷隆幸が…

宇根夏樹ベースボール・ライター
現在、セ・リーグの打率トップ2は、どちらも横浜DeNAベイスターズの選手(写真:GYRO PHOTOGRAPHY/アフロイメージマート)

 セ・リーグの首位打者は、横浜DeNAベイスターズの選手が獲得する。

 現時点の打率1位と2位は、佐野恵太(.328)と梶谷隆幸(.325)だ。佐野は10月25日の試合で、頭から滑り込んだ際に左肩の関節を脱臼し、シーズンを終えた。梶谷は背中の張りにより、11月5日の試合を欠場したが、残る2試合は11日と14日。出場して佐野を追い抜くチャンスは、まだある。

 彼らに次ぐ3位と4位にいる、青木宣親(.317/東京ヤクルトスワローズ)と大島洋平(.316/中日ドラゴンズ)が、佐野を上回ることはないだろう。どちらも残りは1試合。5打数5安打でも、打率は.326と.323だ。他に打率.310以上は皆無。あと少しで規定打席に到達する選手もいない。

 横浜DeNAの佐野と梶谷が、1位と2位あるいは2位と1位として、最終的に打率トップ2となる可能性も高い。

 調べたところ、首位打者と打率2位のチームメイトは、これまでに15組いた。そのうち、1941年は東京巨人軍の選手が1位から4位までを占め、1960年のパ・リーグはトップ3に毎日大映オリオンズの選手が並んだ。

筆者作成
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 パ・リーグは1980年のロッテ・オリオンズ、レロンレオンリー兄弟が最後だが、セ・リーグは21世紀に限っても4組を数える。直近は5年前。現在も東京ヤクルトにいる2人、川端慎吾山田哲人が、首位打者と2位に位置した。

 球団別では、1941年を含め、読売ジャイアンツの4組が最も多い。今シーズン、佐野と梶谷がトップ2なら、横浜DeNAも4組となる。両球団とも、4組中2組に同じ選手がいる。それぞれ、川上哲治ロバート・ローズがそうだ。

 また、15組のうち、1位と2位の差が最も大きかったのは、1970年の東映フライヤーズの2人、張本勲大杉勝男の4分4厘差。一方、差が最も小さかったのは、1956年の西鉄ライオンズの2人だ。小数点第5位を四捨五入した打率は、首位打者の豊田泰光が.3251、2位の中西太は.3247だった。この年、中西は本塁打(29本)と打点(95打点)の両タイトルを獲得(MVPも受賞)。三冠王もあり得たが、豊田も中西も、シーズン最終戦は出場しなかった。

 なお、チームメイトであるか否かを問わず、2位に大差をつけた首位打者については、5月にこちらで書いた。

圧巻の「首位打者」たち。2位との差が4分以上の打者や、リーグで唯一人の3割打者

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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