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村上宗隆の「1イニング3盗塁」は史上17人目。その一人はチームメイトと合わせて「1イニング6盗塁」

宇根夏樹ベースボール・ライター
村上宗隆(東京ヤクルトスワローズ)はシーズン全体で11盗塁(写真:GYRO PHOTOGRAPHY/アフロイメージマート)

 11月5日、2回表にヒットで出塁した村上宗隆(東京ヤクルトスワローズ)が、二盗→三盗→本盗の「サイクル・スティール」を記録した。1イニング3盗塁は、1979年の島田誠以来。村上が17人目だ。過去の16人も「サイクル・スティール」だった。

 村上の三盗と本盗は、宮本丈の二盗と三盗とセット。彼らはダブル・スティール(重盗)を2度決めた。村上の3盗塁と宮本の2盗塁で、東京ヤクルトは1イニング5盗塁を記録した。ただ、このイニングは他にも走者がいたが、彼らが盗塁を試みることはなく、史上最多の1イニング6盗塁には届かなかった。

 1イニング6盗塁を記録したのは、1941年4月4日の大洋軍(対南海軍/7回裏)、1950年3月11日と6月5日の南海ホークス(対阪急ブレーブス/5回表、対西鉄クリッパース/7回裏)、2008年7月17日の東京ヤクルト(対阪神/9回表)だ。1950年に南海が記録した2度のうち、1度目は開幕戦で、2度目は木塚忠助の「サイクル・スティール」を含んでいる。

 村上と宮本が2人で1イニング5盗塁を記録した試合も、相手は2008年の1イニング6盗塁と同じだった。現在、阪神の監督を務める矢野燿大は、12年前の試合でマスクをかぶっていた(当時は輝弘)。また、1イニング6盗塁のうち2盗塁を決めた青木宣親は、その12年後に村上が「サイクル・スティール」を記録した試合にも出場した。もっとも、この試合の2回表は二塁ゴロに終わり、三塁走者の生還で打点を挙げたものの、青木自身が走者になる――そして、盗塁を決める――ことはできなかった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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