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異次元のペース!? 他のどの選手も80三振未満のなかで、スパンジェンバーグは100三振に到達

宇根夏樹ベースボール・ライター
コーリー・スパンジェンバーグ August 13, 2017(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 9月18日、コーリー・スパンジェンバーグ(埼玉西武ライオンズ)は、2打席目に空振り三振を喫した。これにより、シーズン三振はちょうど100となった。短縮シーズンでなければ、200三振に届こうかというペースだ。

 パ・リーグだけでなくセ・リーグにも、80三振以上の選手は他に誰もいない。次いで多い中田翔(北海道日本ハムファイターズ)でも77三振なので、20三振以上の差がある。スパンジェンバーグの三振率は33.8%。規定打席以上の両リーグ計58人中、2番目に高いステフェン・ロメロ(東北楽天ゴールデンイーグルス)は25.3%だ(三振率25%以上は、両リーグでこの2人だけ)。

 しかも、スパンジェンバーグの四球率6.1%は、パ・リーグで規定打席以上の29人中、大田泰示(北海道日本ハム)の4.1%に次いで低い。

 もっとも、スパンジェンバーグの二塁打21本と三塁打6本は、どちらもリーグ最多だ。出塁率.328は23位(ワースト7位)ながら、長打率.520とISO.238はどちらも7位、OPS.848は10位に位置する。11本塁打と6盗塁も記録していて、併殺打は2本しかない。守備は、外野両翼と三塁をこなしている。

 また、それぞれの月の出塁率は、6月と7月の.300未満(.293と.263)に対し、8月と9月は.370以上(.382と.370)だ。十分なサンプル数とは言えないものの、8月以降の成績が一過性ではなく、本領発揮あるいは適応の結果で、ここからも同水準を維持できるのであれば、三振の多さはそう気にならない(そもそも、三振が多い=ダメな打者、三振が少ない=いい打者、という判断は単純すぎる)。

 なお、付け加えると、各月の三振率も、41.5%→34.3%→33.3%→27.8%と推移している。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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