Yahoo!ニュース

デビュー登板の「二桁奪三振」には、かつてのチームメイト2人が関わっていた!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
トリスタン・マッケンジー(クリーブランド・インディアンズ)Aug 22,2020(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 8月22日、トリスタン・マッケンジー(クリーブランド・インディアンズ)は、6イニングを投げてホームランによる1点しか取られず、10三振を奪って白星を挙げた。マッケンジーは、この試合がメジャーリーグ初登板。1901年以降、デビュー登板で二桁奪三振を記録した28人目の投手となった。

 マッケンジーからホームランを打ったウィリー・カストロ(デトロイト・タイガース)は、今シーズンがメジャーリーグ2年目。2年前の夏にレオネス・マーティン(現・千葉ロッテマリーンズ)らと交換にタイガースへ移るまでは、インディアンズに在籍していて、マッケンジーとは長らくチームメイトだった。この日の対戦は、3打数1安打。マッケンジーはカストロを三振に仕留め、奪三振を二桁に乗せた。

 一方、マッケンジーとマイナーリーグの同じチームでプレーしたことはないものの、マッケンジーが昇格するまで、オルタネイトのトレーニング・サイトで数週間をともに過ごしたノーラン・ジョーンズは、試合が行われたプログレッシブ・フィールドのすぐそばまでやってきた。ジョーンズは昇格していないので、球場に足を踏み入れることはできないが、レフトの後方に位置する立体駐車場から、マッケンジーの初登板を見守った。APの記事によると、マッケンジーは試合後に「彼がここで初めてプレーする時は、僕があそこにいるよ」と語ったという。ジョーンズは三塁手だ。マッケンジーが登板する試合で、デビューする可能性もある。

 なお、デビュー登板で二桁奪三振の28人には、2人の日本人投手も含まれている。石井一久は2002年4月6日に5.2イニング、松坂大輔(現・埼玉西武ライオンズ)は2007年4月5日に7イニングを投げ、どちらも10三振を奪って勝利投手となった。最多の奪三振は15。カール・スプーナー(1954年9月22日)とJ.R.リチャード(1971年9月5日)が、記録している。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

宇根夏樹の最近の記事