3先発で「防御率0.00」の投手が降格。その理由は…
8月19日、ロサンゼルス・ドジャースは、トニー・ゴンソリンを降格させた。今シーズン、ゴンソリンは3試合に先発登板し、まったく得点を許していない。14.2イニングを投げ、防御率は0.00だ。最初の2登板は5イニング未満ながら、3登板目の8月18日は6イニングを封じた。
にもかかわらず、翌日に降格となったのは、ゴンソリンが故障者の代役だからだ。ドジャースでは、開幕3試合目に投げただけで、その後は故障者リストにいる、アレックス・ウッドの復帰が近づいている。ゴンソリンの降格は、今回が1度目ではない。今シーズンの初登板となった7月31日も、その日に昇格し、翌日に降格している。この時は、1試合限りの「スポット・スターター」として起用された。
また、ドジャースは6人でローテーションを形成しているが、8月24日は試合がなく、「6番目の先発投手」が必要になるのは、最短でも8月30日だ。ウッドの復帰が遅れた場合は、ゴンソリンを呼び戻すこともできる。ドジャースはゴンソリンと入れ替わりに、左のリリーバー、ビクター・ゴンザレスを昇格させた。こちらも、今シーズン2度目の昇格だ。
それにしても、ゴンソリンの降格は、ドジャースの選手層の厚さを感じさせる。ウッドが離脱しているだけでなく、オフにムーキー・ベッツとともに加入したデビッド・プライスは、新型コロナウイルス感染のリスクを考慮し、開幕前にシーズン全休を選択した。
ゴンソリンは、メジャーリーグ2年目の26歳。スタットキャストによれば、4シームとスプリッターを中心に、スライダーとカーブも織り交ぜる。4シームの平均球速は95.0マイルだ。すでにローテーションにおける地位を確立しつつあるダスティン・メイほどではないが、ベースボール・アメリカとベースボール・プロスペクタスからは、開幕前のプロスペクト・ランキングで82位と81位に挙げられていた(メイは20位と8位)。前田健太(ミネソタ・ツインズ)のように、ドジャースから他の球団へ移った方が――ドジャースが簡単に手放すとは思えないが――登板のチャンスは増えるかもしれない。