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感染のリスクを考慮して「元・西武」の打撃コーチも以降のシーズンを欠場

宇根夏樹ベースボール・ライター
左から、T.ネークイン、T.バークレオ、T.フランコーナ Jul 6, 2020(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 これまでは試合に出場していたものの、新型コロナウイルス感染のリスクを考慮して、以降のシーズン欠場を決めた選手がいる。例えば、ロレンゾ・ケイン(ミルウォーキー・ブルワーズ)やヨエニス・セスペデス(ニューヨーク・メッツ)がそうだ。開幕から故障者リストに入っていたマーカス・ストローマン(メッツ)も、家族と話し合った結果として、8月10日に全休を発表した。

 コーチも例外ではない。8月7日、クリーブランド・インディアンズは、タイ・バン・バークレオ打撃コーチが以降のシーズンを「オプト・アウト」することを発表した。バークレオは、5人の子供の父親だ。詳細は不明ながら、APの記事によると、そのなかには特別な注意を要する子供がいるという。

 1988年の西武ライオンズで、バークレオは秋山幸二清原和博とともに「AKB砲」を形成した。ちなみに、このシーズン、秋山とバークレオはそれぞれ38本のホームランを打った。清原のホームランがあと7本多ければ「AKB38」だった。もっとも、清原のシーズン最多は1990年の37本だ。

 バークレオは1990年まで西武でプレーし、1991年は広島東洋カープへ移った。1989~91年の合計出場は1988年に及ばず、ホームランは半分以下の17本にとどまった。帰国したバークレオは、1993年にメジャーデビューを果たし、11試合目にホームランを打った――相手は1988~89年に読売ジャイアンツで投げたビル・ガリクソン――が、2本目が出ることはなく、通算出場は翌年の2試合と合わせて14試合。1996年にマイナーリーグでプレーしたのを最後に、コーチとしてのキャリアをスタートさせた。数球団を経て、2013年からインディアンズで打撃コーチを務めている。

 インディアンズでは、打撃育成部門のディレクターであるアレックス・エッケルマンがコーチとなり、アシスタント打撃コーチのビクター・ロドリゲスと打撃アナリストのジャスティン・トゥールとともに、バークレオの不在をカバーする。バークレオの肩書きは打撃コーチのまま変わらず、自宅からリモートで選手のサポートを行う。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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